都内の経営者たちのもとに、カナダの弁護士を名乗る人物から巨額の保険金の代理受け取りを持ちかける国際郵便が相次いで届いていた。専門家は遺産相続詐欺の可能性を指摘する。
「総額18億円以上の保険金」受け取る権利
ある日突然、見知らぬ差出人から届いた国際郵便。
そこには総額18億円に及ぶ巨額の保険金受け取りを促す文言が…
イノウエさん(仮名):
同姓で同じ国籍だったら保険金が代理で受け取れるなんて。こういうやり方するんだなって。
そこには多くの謎や不審な点も…。

今、こうした保険金の代理受け取りを名目にした謎の手紙の存在が、都内で複数確認されている。
東京・文京区で会社を経営するイノウエさん(仮名)の事務所にその郵便が届いたのは19日のこと。

差出人はカナダ・トロントの弁護士事務所となっていた。
イノウエさん(仮名):
内容はですね。カナダの投資家の方が亡くなられて、その方の生命保険、要は受け取れる権利がありますと。
なぜ、イノウエさん(仮名)のもとにこの“カナダからの手紙”が届いたのか…

手紙には、この弁護士事務所のクライアントでイノウエさん(仮名)と同じ名字の“イノウエ”なる人物が、2020年に新型コロナウイルス感染症で死亡したと記載が。
手紙の文面「彼の死後、これまで誰もこの保険契約の請求に名乗り出ておらず…」

「故人と同じ姓と国籍を持っていることを考慮し、この保険金請求の手続きについてご協力頂きますようお願い申し上げます」

その上でこの人物にかけられていたという保険金の総額は1155万アメリカドル、現在の日本円で18億円以上…。
手紙の文面「これは100%リスクのない取引です」

その上で、住所や電話番号などの情報をメールで送るよう、指示されていた。
カナダにいる親族など思い当たる節はなく、強い違和感を覚えたイノウエさん(仮名)は差出人の弁護士事務所の住所などを検索。
すると…
イノウエさん(仮名):
この場所にこういった名前の法律事務所は存在しないと。
おかしい点は他にもある。
イノウエさん(仮名)のもとにはこの謎の郵便が一度に3通も届けられ、しかも封筒に印刷された差出人住所はバラバラ。
アメリカのニューヨーク、ウィスコンシン州、そしてラスベガスと、カナダではない場所が記されていたのだ。

イノウエさん(仮名):
同姓で同じ国籍だったら保険金が代理で受け取れるなんてことは基本的にあり得ない。これは詐欺なのではないかなと。注意喚起できればと思った
複数の宛先で届いた謎の手紙
そして実はこうした謎の手紙が今届いているのはイノウエさん(仮名)だけではなかった。
モリさん(仮名):
本日郵送でこんなのが届きました
こちら、モリさん(仮名)に届いた文書を見ると…

名前がイノウエからモリに替わった以外、保険金の額も含め、文書はすべて同一に見える。
さらに都内で会社を経営するスズキさんのもとにも…

スズキさん:
わざわざ海外から日本に向けて、エアメールだってそれなりにお金かかる。慣れてない人は(詐欺被害が)危ないと思う。
番組が入手した全ての手紙には、同一の連絡先メールが書かれているが…
取材班:
手紙に書かれていたアドレスを調べてみると、「詐欺サイトである危険性が極めて高い」と警告が出てきます。
犯罪に詳しい専門家はアメリカではびこる“遺産相続詐欺”が日本にも及んできたと指摘…。

元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏:
アメリカの方でも注意喚起をするくらい発生している。海外の犯罪組織が情報を手に入れて、ターゲットに絞って郵送で送っている。
(「イット!」10月21日放送より)

