10月31日に開幕する春の高校バレー岩手県大会の注目校、女子の一関修紅。2人の指揮官の下、頂点を狙います。また、2026年に完成したばかりの“珍しいコート”にも注目です。
第3シード、初優勝を狙う一関修紅。春高の決勝戦にはここ5年間で2度進出しましたが、夢舞台には届きませんでした。
2026年の特長は選手層の厚さです。レギュラー、準レギュラーの差がなくメンバーが固定されていません。どんな組み合わせで誰がコートに立っても質が落ちない「変幻自在の全員バレー」です。
選手に声を掛けるのは、学校に赴任して2年目の岩渕創監督(33)。
20年以上に渡り監督を務めてきた栗生澤等先生はマネージャーとして登録しチームを支えます。世代交代ではなく、状況に応じてどちらかが監督を務める体制をとっていて、今回は、初めて岩渕監督の下で春高優勝を目指します。
新たな指揮官は高校時代、名門・不来方で春高全国大会を経験し、6年前にはコーチとして古豪・高田の春高全国大会出場を後押ししました。
岩渕創監督
「栗生澤先生が一生懸命やってきてチームの形作りというのができているので、私としてはすごく指導しやすいのと(各得意分野で)生徒一人一人に合わせた指導ができるというのはかなりチームの強み」
大きな強みがもう一つあります。体育館の横にあるビーチバレーコートです。
山の砂に特殊な加工をして海辺のようなさらさらとした質感です。2026年7月末に完成し、希望する選手たちがプレーしています。
その中心になっているのが、いつもはセッターを務めている2年生の山入端心音選手です。2026年夏、ビーチバレーの全国大会を経験しました。不安定な砂の上で培った足腰の強さが、屋内でもスムーズな足運びや高いジャンプに直結しているといいます。
山入端心音選手(2年)
「ビーチは2人でやっているので1人がさぼれば勝敗につながってくるので、自分の守備力(範囲)が広がったり、思いやりのあるプレーができたりする」
仲間の思いのこもったトスを豪快に打つのはチームのエース高橋悠花選手(2年)です。コートを縦横無尽に駆け回る、スピードとパワーを兼ね備えたアタッカーです。
高橋悠花選手(2年)
「自分の攻める力で勝利につなげていきたい」
この日の練習前、教室に集まるバレー部員たちの姿がありました。
試合の映像を見ながら何やら書き込んでいます。部には9つの係があり、全員がどれかに所属しています。
「戦術・分析係」は、過去の試合を見て攻撃のパターンを把握し情報を共有します。他には「審判係」もあり、チーム全体でジャッジの技術を高めています。今は県公認の資格を6人が持っています。
まさに“全員バレー”のチームをまとめるのは、菊地優美花キャプテン(3年)です。リベロとしてボールを拾い、誰よりもチームの危機を救ってきたキャプテンは、大船渡市の出身です。将来の夢があります。
菊地優美花主将(3年)
「地域の方々に安心を届ける消防士になりたい。(去年 大船渡で)山林火災があってテレビで全国放送されていて、市民の方々がとても不安そうな顔をしていたので、自分が消防士になり助けたいと考えた」
いつか誰かの命を救う決意がコートの守護神に力を与えます。
2人の名将の下、信頼する仲間たちと夢舞台へ。一関修紅が悲願の初優勝を狙います。
