先月、文化庁がユネスコの世界遺産登録を目指す国内候補として推薦することが決まり、登録を待ちわびている彦根城。
きょう=19日、「江戸時代の乗り物」を使った実験が行われました。
重さおよそ25キロの江戸時代の乗り物「山かご」を使い、券売所から天守前までのおよそ285メートルを往復する実験です。
大事な時期に、一体なぜ実験を行ったのか。その背景には、観光客を悩ませる「彦根城“のぼるの”大変問題」がありました。
■「エレベーターがあると思ってた」
実際に階段を上った人は…
【観光客】「めちゃくちゃ大変です。めちゃくちゃ疲れました。階段がすごく疲れて、絶望すぎて2人で『まだあるよ』って言いながら」
【観光客】「階段が大変だったよね。近くまでエレベーターがあると思ってたんです。そしたら階段だった」
■およそ140段の長い「階段」は不揃いな形
彦根城には、およそ140段の長い「階段」が。さらに迎えるのは不揃いな形の階段です。
【記者リポート】「階段なんですが、段差がバラバラだったり、左右が傾いていたりします」
関ヶ原の戦いの後も続く争いに備えるため、守りを堅くする必要があった彦根城。
そのため、進んでくる敵のバランス感覚を崩すよう、わざと“のぼりにくい”構造になっているのです。
【観光客】「(階段は)結構がたがたしてるじゃないですか。攻め入る兵士の人とかいたら、私らだったら途中で疲れてやられてるなって。敵の気分になって上ってました」
■令和バージョンの「かご」の気になる乗り心地は?
彦根城跡は、国の「特別史跡」のため、景観の維持を目的にスロープなどは設置されてきませんでしたが、今後、観光客が増えることも見込まれる中で、課題を解決する必要があります。
そのなかでひとつの移動手段としてあがったのが江戸時代に大名から庶民に至るまで幅広く利用された、いわば“江戸時代のタクシー”の「かご」だったのです。
ゆっくりと進む令和バージョンの「かご」。気になる乗り心地は…?
【記者リポート】「階段を上るときの方が揺れが安定していてと良かったです。さすが江戸時代の知恵っていう感じ」
【担ぎ手】「意外とけっこう重たい。最初はきついけどどんどん回数重ねていくうちに楽しくなってくる」
■世界遺産候補として新たな魅力を打ち出せる可能性も
記者も担ぎ手になってみましたが、実際に持ち上げてみると…「あっ無理」と即断念。
世界遺産候補として新たな魅力を打ち出せる可能性もあります。
【彦根市役所文化財課 森川裕允さん】「足の不自由な方にも彦根城の価値を体験してもらえる機会を増やしていきたい。江戸時代に造られているお城ですので、当時の風景を見ながら当時の移動手段で上がっていただく。すばらしい体験にできるのではないかなと思う」
観光客にとってやさしい城になれるのか、彦根城の“山かご”はこれから検討が進められます。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年10月19日放送)
