いわゆる「大阪都構想」の住民投票への動きが加速する中、市民などの要望を取り入れる「陳情」が物議を醸しています。
大阪市議会で唯一採択された陳情に維新関係者が関わっていたことが明らかとなりました。
「セルフ陳情」とも指摘され、プロセスの是非が問われています。
■「陳情」をめぐる問題
きょう=19日行われた、大阪市議会の委員会で大阪市の横山英幸市長が触れた「陳情」をめぐる問題。
【大阪市・横山英幸市長】「陳情につきましては、これまで同様に適切に対応してまいります」
「陳情」とは国や地方自治体などの公的機関に対して、困りごとへの適切な措置や改善を求める行為です。
「都構想」をめぐっては先月の委員会で57件の陳情が審議されましたが、そのうち採択されたのはわずか1件でした。
■採択された陳情には、維新関係者が関わっていた
その1件というのが、「都構想」において住民投票の結果に影響すると考えられてきた「大阪市を廃止する」という文言の取り扱いです。
6年前の住民投票では陳情を考慮して、投票用紙に「大阪市廃止」という文言が盛り込まれました。
今回は、維新の主張と同じく、「都構想」を「大阪市を再編」と表現するよう求める陳情のみがこれまでに採択されています。
大阪府の吉村洋文知事は先月28日、「それ(採択された陳情)は当然尊重されるべきだと思います。市民の意見として陳情が出て、市議会として採択されたのであれば」と話していました。
ところが、採択された陳情には、維新の国会議員秘書3人とこの議員の後援会長の署名があり、維新関係者が関わっていたことが明らかとなったのです。
【他会派(「自国くらし」)藤原洋一大阪市議】「秘書は政策決定に関わっている側の方なので、その人たちの思惑をそのまま陳情という形で出すのは違うかなと」
■専門家は「セルフ陳情」であると厳しく指摘
地方政治の専門家はこのプロセスについて、議会で意見を通すことのできる与党による「セルフ陳情」であると厳しく指摘します。
【拓殖大学・河村和徳教授】「水増しをして『これだけ(陳情が)出たから採択しましたよ』というのは、ある種(市民を)欺く行為でもある。陳情・請願って何のためにやるのというと、届かなくなっていっている民意をどうフォローするか(が目的)。それは与党の意見ではない」
委員会で「市民への適切な対応」を約束した横山市長は…
【大阪市・横山英幸市長】「手続き面や構成要素に瑕疵(かし)がない限りは、我々としては陳情、議会で議決された内容として他の陳情と同様に取り扱っていきたい」
「プロセスは適正と考えているか」という記者の質問に対して、横山市長は「ええ、間違いないです」と答えました。
■「政治的信用を損なうことがないよう適切に対応する」大阪維新の会
住民投票に向けたプロセスは本当に適切なのか。
関西テレビがこの問題について維新議員にアンケートをとったところ、大阪維新の会として「政治的信用を損なうことがないように引き続き適切に対応していきます」などと回答しました。
(関西テレビ「newsランナー」2026年10月19日放送)
