さまざまな疑惑が指摘されていた簗和生農林水産大臣は、14日午後6時半ごろに、大臣の辞表を提出しました。
この辞任劇について永田町での取材歴も長い、ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、選挙時の“シャトルバス問題”が「辞任のきっかけだといっていい」と解説しました。
問題を巡って「官邸とある種の理論武装みたいなことをしていた感じがあった」といいます。
しかし簗大臣が「選挙管理委員会に問い合わせた」と国会で説明したものの、栃木県選挙管理委員会が「問い合わせはなかった」と説明し、「嘘をついているのはかばいようもない」という判断に傾いたという見方を示しました。
■シャトルバス問題 選管に「問い合わせ」答弁も選管が「記録ない」
簗大臣を巡る問題の内、選挙時に出陣式の会場まで無料のシャトルバスで有権者を送っていたという問題。国会で追及を受けた簗大臣は当初、次のように答弁していました。
【簗大臣】「地域柄、公共交通機関というものが、その地域にもそこの移動についてもなく、そして特にお年を召された方も非常に多くて、そうした人道上の観点もあって、このシャトルバスというものを用意した。スタッフが選挙管理委員会に、このバスを借り上げをする前に確認をして、会場費の一部として計上するものと」
選管に問い合わせ、違法性はないことを確認していたと述べていましたが、野党側の追及でこれが否定されます。
【民主改革の会・山岡達丸議員】「栃木県の選挙管理委員会に確認した。問い合わせがあったとの記録は残っていない。やる前に聞かれたら、実例判例集に基づいて、違反になると答えるはずだ」
■官邸と簗大臣で「理論武装みたいなことをしていた感じがある」
鈴木氏は「支援者をシャトルバスで無料で送ったということになると、交通費を出してあげたということになって、公選法違反だということになります」という見方を示した上で、官邸と簗大臣で「理論武装みたいなことをしていた感じがある」と説明します。
【ジャーナリスト鈴木哲夫氏】「官邸を中心に、簗大臣とも相談しながら、理屈を作っていたそうです。
自宅から支援者を迎えに行って、例えばタクシーでいくらかかかるところを送ったとかではなく、そのエリアの中で少し動くところで使ったという予算の使い方だから問題がないんだという、ある種の理論武装みたいなことをしていた感じがあります」
■「選管に確認」が嘘なら「かばいようもないし、救いようもない」
しかし栃木県選挙管理委員会に「問い合わせた」という簗大臣の答弁に対し、選管が野党議員の確認に、「問い合わせの記録はない」と答えたことで局面が一変したと説明します。
【ジャーナリスト鈴木哲夫氏】「問題なのはそのあと、簗大臣が事務所のスタッフに、『こういうお金の使い方は問題ないですか』ということを栃木県の選挙管理委員会にちゃんと尋ねて、大丈夫だということだと説明しました。
これが栃木県の選管から『問い合わせの記録はない』と。『もしまさに問い合わせが来たら、これは問題ですよと我々は言う』と。
記録もないし、これは嘘ではないかという話になってきた。だから『違法云々』ではなく、嘘をついているというのは、まずいですよね。これはとてもじゃないが、かばいようもないし、救いようもないし、と(なった)
こういうことが起きると、これから臨時国会では消費税の減税や議員定数の削減といった議案の重要な審議がいっぱいあるのに、簗大臣の問題が続いていたら野党は審議拒否をしますよ。
衆議院は『力技』で行っても、参議院は少数与党で、ここまで来たら更迭せざるを得ないという状況でした」
■議員辞職は?公選法違反で「認めて辞めるケースってあんまりない」
では簗大臣は、大臣だけでなく、議員も辞職するということはありえるのでしょうか。
シャトルバス問題と、「一部週刊誌の報道」として国会でも指摘された運動員の「買収疑惑」については、公職選挙法違反に問われる可能性も指摘されています。
鈴木氏は「大臣として、ではなく、一議員としての問題となる」と述べながらも、「公選法違反が指摘されるような場合に、『私がやりました』と認めてパーンと辞めているケースってあんまりないですよね」と述べ、否定的な見方を示しました。
(関西テレビ「newsランナー」2026年10月14日放送)
