動物愛護の活動を続ける俳優の杉本彩さんが、10月4日、長野県長和町でイベントに参加しました。命を守る活動を支える思いやその原点を語りました。
■動物愛護の活動を支える“思い”
「Eva」代表理事・杉本彩さん:
「言葉を発信して投げかけた声を、誰かが受け取ってくれていることを感じます」
語るのは活動を支える思い。動物環境・福祉協会「Eva(エヴァ)」の理事長、杉本彩さんです。
10月4日は長門牧場で行われた「ドッグフェス」に参加。プロレスのステージで熱く語りました。
信州プロレス代表・グレート無茶県議:
「頑張っている姿は、われわれも見てましたって言うと偉そうなんですけど、ありがとうございます」
■劣悪な飼育…“犬の虐待”刑事告発
杉本さんといえば、5年前、松本市で1000匹近い犬が保護された犬の虐待事件。
劣悪な飼育や繁殖を行った販売業者の男が動物愛護法違反の罪に問われ執行猶予付きの有罪判決が言い渡されました。
事件を刑事告発したのが、杉本さんが代表を務める団体「Eva」でした。
■芸能活動で忙しい20代で保護活動
後を絶たない動物虐待と闘う活動。最初の一歩は、芸能活動で忙しい20代の保護活動でした。
「Eva」代表理事・杉本彩さん:
「実はずーっとこの活動を個人でやってたんです。きっかけは20代、東京の撮影所にボロボロになってる野良の子猫がいた。放っておいたら確実に死んでしまうだろうと思って(マネージャーに)キャリーケースを買ってきてと、休憩時間に保護して入院させて。そのうちに、いろんな虐待事件をニュースで見るようになって、何でこんなことが起こるの?ってどんどん疑問が湧いてきて」
■命に対する軽視…「看過できない」
目の前の命を救うだけでは問題は終わりませんでした。
「Eva」代表理事・杉本彩さん:
「とにかく利益、1円でも多く利益。動物の福祉は置き去りになっている。命に対する軽視、これはもう看過できない」
杉本さんは、12年前(2014年)公益財団法人「Eva」を設立。虐待を生む社会やしくみを変えようと精力的に動き始めます。
■暴力より多い「ネグレクト」
講演やシンポジウムはこれまでに195回にのぼり、約18万人が参加。
全国で相次ぐ動物虐待事件。杉本さんは、これまで、悪質なペットビジネスをなくすために、「正しい選択・行動」をしてほしいなどと訴えてきました。
後を絶たない動物虐待は、暴力で傷つけるものだけではありません。
「Eva」代表理事・杉本彩さん:
「暴力以上に多いのはネグレクト。やるべきことをやらずに、ほったらかし。(動物が)長期にわたり痛み苦しんだ挙句、命を落とす事例が後を絶たない」
エサや水を与えない。病気などを放置する。汚れた環境に置き続ける。死につながる「ネグレクト」です。
■「殺しても数十万の罰金」厳罰化を
訴えるのは虐待を未然に防ぐための法の厳罰化です。
「Eva」は署名活動を展開。2019年の動物愛護法改正で、動物を殺傷した場合の罰則は「5年以下の拘禁または、500万円以下の罰金」に引き上げられました。
一方、「ネグレクト」は1年以下の拘禁または、100万円以下の罰金。
杉本さんは、最低でも「3年以下の拘禁または300万円以下の罰金」が必要と訴え、活動を続けています。
「Eva」代表理事・杉本彩さん:
「一般の感覚と司法の感覚がものすごく乖離している。どれだけ動物を殺したとしても、数十万円、20、30万円の罰金で終わるんですよ。そんなの簡単に払えるじゃないですか、事業してたら」
■「市民の声が社会を変える」
話を聞いた人たちは―。
参加者:
「真っすぐで力強くて、熱い思いが伝わってきました」
「ネグレクト、虐待、ショックを受けたし、いろんなものを解決しないといけない」
私たちにできる一歩は―。
「Eva」代表理事・杉本彩さん:
「(動物は)どれだけ苦しくても自分で声を上げることができない。(虐待を)見て知った人が声を上げるアクションを起こさない限り、動物はずっと苦しみ続ける。勇気を出して通報していただきたい」
「市民の声が大きくならないと法律も変わらないし、司法が動物虐待をどう受け止めるかというところも、私たちが声を上げていって少しずつ伝わるんだろうと思うので。すてきな牧場でいつもと違う雰囲気で、楽しく話ができてありがたかった」
大きな社会の変化も個人の小さな一歩から。どんな命も尊重される社会をめざし、今後も活動が続きます。
