カーシェアリング大手「タイムズカー」で約660万件もの個人情報が流出した問題を受け、鹿児島県内でも免許証の再発行申請や消費生活センターへの相談など、具体的な影響が出始めている。「企業努力としてもっと情報管理していただかないと安易に登録できない」――利用者からはそんな声も上がっており、身近に潜む情報流出リスクへの不安が広がっている。
運転免許証の画像など660万件が流出
タイムズカーは9月28日、外部からの不正アクセスにより、運転免許証の画像や氏名などの個人情報、約660万件が漏えいしたと発表した。9月30日時点で不正利用は確認されていないとしているが、利用者の不安を払拭するには至っていない。

鹿児島県内への影響も具体的な形で現れている。県内3つの消費生活センターには、タイムズカーを退会した人などからあわせて3件の相談が寄せられた。さらに県警によると、情報漏えいを受けて10月6日までに少なくとも7人が免許証の再交付を申請したという。
街の声「登録しすぎているところも」
個人情報の流出リスクについて、街の人に話を聞くと、多くの人がその危険を日常的に感じつつも、完全には防ぎきれないという現実を受け入れている様子がうかがえた。
「正直登録しすぎているところもあるので多少は仕方ない。知らない番号からの電話は出ないとか対策するしかない」と話す人もいれば、「いろんなことが便利になった反面、ハッキングもしやすくなったのでは」と技術の進化に伴うリスクを冷静に受け止める声もあった。一方で「身近で怖いことが起きるんだとびっくりした」という率直な驚きの声も聞かれ、情報流出を自分ごととして捉えていなかった人も少なくない。
法人利用者も「会社からは特に指示なし」
タイムズカーシェアは、短時間から利用できる手軽さに加え、駐車場代やガソリン代の削減が見込めることから、法人での利用も多い。10月8日も法人契約で利用する人の姿が確認されており、情報漏えい発覚後も業務上の利用は続いている実態がある。
法人契約で利用する人に今回の件の受け止めを聞くと、「企業努力としてもっと情報管理していただかないと安易に登録できない。個人情報を出す場合は本当に必要なのか一歩立ち止まって登録する必要がある」と、企業側のセキュリティ対策の強化を求めた。今後の利用継続については「会社の方からは特に何も指示がないのできょうも使った」とのことで、個人の判断だけでは対応に限界があることも浮き彫りになった。

利用者がとれる対策は乏しく
今回の問題で改めて浮き彫りになったのは、一般の利用者が自衛のためにとれる手段の少なさだ。パスワードの変更や不審な連絡への警戒といった対策は考えられるが、すでに漏えいした情報そのものを取り戻す方法はない。
個人情報を登録する機会が増え続ける現代において、サービス利用の利便性とリスクをどう天秤にかけるかは、利用者一人ひとりが向き合わざるを得ない課題となっている。鹿児島県内でも、漠然とした不安を抱えながら日常を送る人が増えている現状が続いている。

