名古屋の街を襲った記録的豪雨から8日で1カ月です。未だ残る影響、そして教育現場では災害時の対応を巡る課題も見えてきました。
■豪雨から1カ月も…ラーメン店はいまだ営業再開できず
川沿いののり面に土嚢が大量に積まれた、名古屋市名東区の植田川。工事はまだ始まらず、復旧は早くても来年5月になるといいます。

近所の住民:
「(大雨の日は)うちもやばいなと思って怖かった。(植田川は)普段は全然水がないので、あんなことになるとは思わなかった」
「もうスレスレで水がきていて。対岸の方に被害があったみたいで、ショックですね」
穏やかな姿からは想像できない濁流が一帯を襲ったのは、ちょうど1カ月前です。

先月8日、名古屋を突然襲った猛烈な雨で植田川は越水し、周辺は水に浸かりました。名古屋の中心部でも…。
(リポート・9月8日)
「東海テレビ放送本社前です。非常に強い雨が降り続いています。本社前の道路が冠水しています」
1時間で降った雨の量は104.5ミリと東海豪雨を超え、観測史上最多を更新。わずかな時間で道路が川のようになり、車は立ち往生。

名古屋市消防局の防災指令センターは、鳴り止まない電話の対応に追われました。
あれから1カ月…。
(リポート)
「浸水被害があったラーメン店です。いまだに休業の看板が出されていて、中では店舗再開に向けた復旧作業が行われています」
地下鉄一社駅近くのラーメン店「麺屋一丸はなれ」には、今も「休業中」の看板が掲げられていました。
麺屋一丸はなれの中山修治さん:
「今やっと工事が始まって、床を張り替えたりとか」

当日は、降り始めから30分ほどで腰の高さまで水に浸かり、水が引いた後も店内はぐちゃぐちゃに…。
1カ月ほどでの再開を目指していましたが、ようやく工事がスタート。冷蔵庫や調理器具なども全て交換が必要で、思った以上に時間がかかっているといいます。
今の目標は、11月10日「いい・いちまるの日」の営業再開です。
麺屋一丸はなれの中山修治さん:
「早くお客さまにおいしい料理やサービスを提供したいと思っているので、一生懸命頑張っています」
■教育現場で見えた課題は“学校頼み”
一方、記録的な豪雨は教育現場にも課題を残しました。
中区にある前津中学校。レベル3の大雨警報が出た午後3時半ごろは、部活動などで50人ほどの生徒が残っていました。

市教委の基準では、生徒が学校にいる時にレベル3大雨警報などが出た場合の対応は、原則「校内で待機」。しかし、最終的には校長の判断に委ねられています。
大杉周三校長:
「保護者が迎えに来てくれる生徒は、どんどん保護者にお渡しをした。(保護者が)電車が止まって帰れないという生徒に関しては、職員が家までついて行って、家に入るのを確認して戻ってくるという形で」
保護者への連絡や生徒の下校対応に追われる中、新たな対応の必要が。
栄、矢場町、大須から流れ込んだ雨水によって、学校のすぐ東側の新堀川の水位が上昇し、午後4時10分、学区に高齢者避難情報が発令。避難所に指定されている学校に、地域住民が集まってきたのです。

大杉周三校長:
「本当に想定していなくて。高齢者で避難された方に対して『ここで待っていてください』とか、そういった対応になってしまったことは本当に反省しなきゃいけない。学校は生徒の安全が第一なので、まず生徒を優先してしまった」
さらに、近くの上前津駅からは帰宅困難者も。退避施設ではないものの、校長の判断で受け入れました。

生徒に地域住民、さらには帰宅困難者まで。今回の豪雨では、災害時の対応が学校頼みとなっている課題も浮き彫りとなりました。
大杉周三校長:
「いろんな人が助けを求めに来て、そういったところに対応できるような避難所運営をしていかなきゃいけない。それは学校だけでは絶対できないので、どうやったらみんな力を合わせて避難所運営をできるのかというのを考えていきたい」
市内の学校からも、下校判断の難しさや避難所対応への不安の声が上がっていて、市教委などは下校指示の基準や学校の対応のあり方について、今後検討を進めるとしています。

