宮崎県川南町で国内流通わずか0.1%とされる希少なバナナを栽培する農業法人「ネクストファーム」が、国内外で新たな展開を進めている。農薬を使わず皮まで食べられる高品質な果実を武器に、東京の百貨店や海外ホテルへの出荷だけでなく、ベトナムでの生産指導や沖縄での栽培にも着手した。産地の垣根を越えた挑戦に迫る。
希少品種の無農薬栽培
川南町にあるバナナ農園「ネクストファーム」。50アールのハウスでは国内での流通量が少ない「グロスミッシェル」という品種のバナナが栽培されている。

このバナナ農園を経営しているのは内田匡彦さん(43)。今年で8年目を迎える。
ネクストファーム 内田匡彦社長:
今までスーパーに行くと、フィリピン産、海外のものしか見なかったんですね。そこに消費者の方に選択肢が加わるというか、国産もあるんだというところに対して僕らは供給をしたい。

農薬を使わずに栽培しているバナナは糖度が高く、皮まで食べられるのが特徴だ。
ネクストファーム 内田匡彦社長:
東京の新宿伊勢丹をはじめとした百貨店やふるさと納税、ネット通販、海外で香港やドバイの五つ星ホテルなどに納めさせてもらっています。
ベトナム農家と挑む新市場
内田さんは5年前からベトナムでのバナナ事業を始めた。現在、日本に輸入されるバナナの約8割はフィリピン産で、ベトナム産は5%に満たない。

ネクストファーム 内田匡彦社長:
スーパーにはフィリピンバナナばかりなので、そこに日本のバナナ農家がプロデュースしたベトナムバナナが横に並んだらおもしろいんじゃないかなというのがきっかけ。ベトナムの農家は日本のスーパーが望むルールや規格、見た目などのルールを全然知らない。そこを一から教えていき、日本人プロデュースにするのが僕らの仕事。日本人がプロデュースしているという安心感を、買う人たちに持ってもらいたい。
内田さんは月の半分以上を現地で過ごし、提携する5軒の農家に向けて栽培技術や出荷規格を細かく指導している。

また、内田さんは現地で野球の普及をめざすボランティアとしても活動している。バナナを通じて生まれたつながりだ。
ネクストファーム 内田匡彦社長:
費用面にしてもノウハウにしても十分じゃない中で、野球を知っている僕たちだから出来ること。彼らも学ぶ気が強いので目が輝いている。
沖縄展開と広がる将来像
今年5月からは沖縄県読谷村でバナナ農園をスタートした。沖縄では川南町と同じ品種のバナナを栽培している。
ネクストファーム 内田匡彦社長:
沖縄だけ日本の中でバナナ栽培にハウスがいらないんですね。比較的、栽培がしやすくなり、価格を下げれるようになる。これによって、スーパーに行くと海外産しかない中に、日本産をもっと増やせるチャンスが沖縄にはある。

宮崎からベトナム、そして沖縄へと広がる生産現場では、海外からの人材も重要な役割を担う。インドネシアから訪れた技能実習生のバシト・ワヒユ・ジャトミコさんは、「家族のためにがんばります。楽しいです」と笑顔を見せた。
ネクストファーム 内田匡彦社長:
国産バナナはやっぱり少ないので、宮崎のバナナが日本の中で先頭になって、宮崎・沖縄・ベトナムといけばNo.1になれるんじゃないかなと思います。
深いこだわりと情熱で生産されるバナナ。宮崎から始まった内田さんの挑戦は、これからも続く。
(テレビ宮崎)
