白衣を着た医師が並ぶ集合写真に、眼鏡をかけたその男が写っていました。
兵庫・尼崎市にあるメンタルクリニックの医師で、9月30日に逮捕された下村憲司容疑者(46)。
2025年8月に当時住んでいた尼崎市の自宅で、妻の遺体の頭部や手足を切断し、複数の骨を川に投棄した疑いが持たれています。
慌ただしく出入りする警察官。
10月1日午前、事件の現場となった尼崎市の一軒家に警察が入りました。
調べに対し、「自宅の浴室でブルーシートを敷いて損壊した。カバンに入れて車で運んだ」と供述し、容疑を認めている下村容疑者。
事件現場の近くに住む人は「(娘が)子供連れて歩いているのを見たことあるって言っていました。(Q.旦那?)いえ、奥さんです。ベンツ乗っていたから、結構、高給取りの人だなと思った」と話しました。
下村容疑者と妻との間に一体何があったのでしょうか。
下村容疑者が現在住んでいる自宅は西宮市。
一方、勤務先のクリニックは遺体損壊の現場となった、以前、容疑者が住んでいた尼崎市の家のすぐ近くにあります。
下村容疑者が医師として勤めていたクリニックには貼り紙がされていて、「閉院することとなりました」と書かれています。
セロハンテープで貼られた閉院の知らせ。
急きょ対応したことがうかがえます。
クリニックを知る人:
(Q.「閉院の知らせ」いつ貼られたか?)記憶では先週ですよ、先週の月曜か火曜くらい。
頻繁に下村容疑者を見かけていたという付近の住民は、その印象をこう話します。
クリニックの近隣住民:
メガネかけてて(体が)細い方で、優しい感じだったよ。精神科の先生だから優しいんじゃない。急に閉院したから何かあったかなと思ったけど。いやもうびっくりで怖いわ。
FNNは、下村容疑者の診察を受けていたというクリニックの患者に話を聞くことができました。
クリニックの患者:
(通院は)3年くらい前から月1~2回。下村先生は(話を)よく聞いてくれたり、めちゃめちゃ優しい先生だった。めちゃめちゃ人気だった、女性の患者が多かった。入れ墨の話になった時があって、「僕も入れ墨入れてる」みたいな話はあった。
さらに、家族についても話していたといいます。
クリニックの患者:
息子さんの話はよく「俺より優秀や」みたいな話はよく聞いていた。(Q.奥さんと仲良さそうとか)ずっと仲良さそうな感じだったけど、去年くらいから、なかなか家に帰っていないという話はよく聞いていた。よく病院に泊まっていた。(2025年の)8月は一番ラフ(な服装)だったので、どうしたんだろうとは思っていた。(自宅に)帰りづらいというか、そういったことなのかなと…。
そもそも事件の発端となったのは2025年9月。
妻の骨を川に投棄したとみられるその翌月に、下村容疑者は「妻と口論になり出て行った。それ以降、連絡がない」と自ら警察に妻の行方不明届を提出していました。
警察が妻の行方を追う中、届け出から1年近くがたった2026年8月以降、下村容疑者が「骨を川に捨てた」などと自供を始めたのです。
警察が捜索したところ、川から複数の骨が見つかり、妻の骨であることが特定されました。
骨は約200メートルの範囲で見つかったといいます。
下村容疑者の犯行について、専門家は“隠蔽(いんぺい)したいという強い思いがある”と指摘しました。
元埼玉県警捜査一課・佐々木成三さん:
証拠を隠す、犯罪を隠滅する、その意思の強さが顕著に出ていると感じます。どのような形で解体すればいいのか、そういった知識は医師だからこそできたということは十分考えられる。異質な猟奇的な犯行だと思います。
警察の取り調べに対し、下村容疑者は「私が一人でやったことです」と話しています。
また、下村容疑者の関係先からは、遺体の損壊に使用したとみられる複数の刃物が押収されたことが、1日、新たに分かりました。
警察は妻の死亡に下村容疑者が関与しているとみて捜査を進めています。
