富山地方鉄道の鉄道線について、富山県と沿線自治体は29日に3つの路線すべてを維持し、みなし上下分離方式で負担する方針を決めました。一方、沿線自治体の「費用負担」については「どの自治体がどれだけ負担するのか」様々な意見が出ています。
78億円をどう分け合うか

県が示した案では、線路や車両などの維持管理費を今後10年間で78億円と想定。この半分を富山地鉄が負担し、残る半分を県と沿線7市町村がさらに半分ずつ負担します。

7市町村の負担は、10年間であわせて19億5000万円。この負担割合が今後、議論の焦点となります。
乗降客数か、町民数か——自治体間で意見が分かれる

29日の会合で滑川市は、自治体によって富山地鉄から受ける便益が異なるとして、「それぞれの乗降客数」を負担割合を決める重要な指標にするよう求めました。
*滑川市 柿沢昌宏副市長
「その地域が地鉄からどれだけ便益を受けているのかという視点を入れていただきたい。乗降客数を負担割合を検討する際の重要な指標として検討をお願いしたい」
これに立山町の舟橋町長は、「観光客の利用は負担割合に反映させるべきではない」との考えを示しました。

*立山町 舟橋貴之町長
「再構築事業で様々な投資をすることによって、観光客が増えた。それで乗降客数が増えたから負担が増えるとなればやってられない。町民、市民のために負担をするということをご理解いただきたい。つまり、乗降客数はその駅に、町民がどれだけ乗ったか、という考え方であれば理解できる」
*滑川市 柿沢昌宏副市長
「必ずしも町民だけじゃなく観光客も便益だと思っております。観光客が来ることによって地域活性化の効果があるわけであります」
また、上市町の中川町長は、そもそもの市町村の負担に懸念を示しました。
*上市町 中川行孝町長
「富山県と市町村の負担割合、誰も言っていないが、市町村の負担割合については議論が出ているが、県と市町村の負担割合の話が出ていない。私どものような財政力の弱い町は、今後この事業だけでも10年間、新たに負担をしていかなければならない」

この維持管理費を巡っては、当初の案では地鉄、県、市町村が3分の1ずつ負担する想定でした。
ただ、地鉄が当初より多い2分の1を負担するとしたため、県と市町村の負担はそれぞれ4分の1に。
これに対し、県の負担割合を上げ、3分の1を負担すべきとの意見が出たのです。

これに新田知事は、県と7市町村の負担を「1対1」とする原則は維持したいとの考えを示しました。

*新田知事
「先行事例である城端線・氷見線についても、あいの風についても県と市町村の負担割合は1対1でやってきた。ここはやっぱり県と市町村1対1というのは引き続き維持していきたい」
「存続・廃止の議論は終えたい」

今後の会合では利用者数や自治体が受ける便益、それぞれの財政規模など、負担割合を決める指標について議論される見通しです。
およそ5年にわたって続けられてきた鉄道線を巡る存続・廃止の議論。
維持管理費をそれぞれ負担しあうことで3つの路線すべてが維持されることになりました。
会合後、地鉄の新庄社長は、「議論には区切りがついた」と述べました。

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「このままの運営では公共サービスを維持できないため、一緒に担っていただけないかと問いかけてきた。それに対しきょう、みなし上下分離方式を適用し、必要な経費については双方で2分の1ずつ負担するという回答をいただいた。この回答をもって、存続・廃止をめぐる議論については終えたいと思う」
地鉄の存続がまとまりましたが自治体ごとの事情も異なる中、納得できる負担割合をどうまとめるのかが、次の焦点となります。
負担割合を決める上では、県内に先行となる例があります。

背景や仕組みが異なりますが、あいの風とやま鉄道に経営移管される城端線・氷見線です。
沿線4市は駅の数、運行本数、乗降客数、に固定資産税の額、これに一定の「均等割」を組み合わせて負担割合を決めました。今後の議論に注目です。
(富山テレビ放送)

