2020年10月から段階的に進められてきた酒税の改正。国は類似するビール系飲料の税率格差を改めるため、10月1日から350ml換算の税率を54.25円に統一した。
ビールは約9円の減税だが、発泡酒や第三のビールは約7円の増税。缶チューハイも7円増税され35円となった。
改正目前の9月27日、駆け込み客でにぎわった酒店を取材した。
縮まるビールとの価格差
高知市中心部にある酒店「リカオー御座店」。店舗の入り口に入ると「発泡酒の酒税が上がります」と書かれたポップ広告や、増税を知らせる派手なポスターが多数掲示されていた。
店内では、増税前に買い置きをする客の姿が目立った。24缶入りの発泡酒を2つ「箱買い」していた高知市の男性は、「10月から高くなるので、いまのうちに買っておこうかなと。だいぶ家計に響くので」と語る。
毎日お酒を飲むというこの男性は「(量を)減らさなければいけないのですが、なかなか…」と話していた。
父親に頼まれて来店したという女性も「(増税は)痛いですよね」と話す。
父親が飲む本数を減らす意思があるかについては、「そんな意思は全然ないので。値上がりしようが自分(父)は飲みたいので」と答えた。
取材中にはカートの上に6ケースもの発泡酒を積み込んでいる客もいた。
税率統一がもたらす嗜好の変化
酒税の改正は、メーカーの販売戦略にも影響を与えている。
ビール大手各社は改正に合わせ、割安感がなくなる第三のビールの麦芽比率を高め、「ビール」として売り込む動きを見せた。
櫻井店長は、「じっくり味わって飲みたい人はビールを、ごくごく飲みたい人は発泡酒を好む傾向は今後も続く」と予想している。その一方で、ビールの需要増加も踏まえ、在庫切れとならないよう工夫しているという。
高知市から訪れた客の一人は、「値段が上がっても飲み慣れたビールのほうが口に合っているので。飲んでみておいしいビールがあれば、変えてもいいかなと思いますけどね」と語った。
税率が統一されることで、価格優先だった消費者の嗜好や商品選びの基準も変わってくるかもしれない。

