徐々に秋の気配が深まる中、気になってくるのはファッションです。
2026年の秋はファッションのポイントに帽子をプラスしてみませんか?
こちらに並ぶ帽子の数々は、どれも鹿児島のデザイナーが手がけた世界に一つだけの手作りの帽子です。
その制作現場を覗かせてもらいました。
エレガントな表情の帽子に…
ドレッシーなヘッドドレス。
そして、マニッシュな雰囲気を漂わせるものも。
ブランド名、ヒメオシャポー。
独特の世界観を持ったこれらの帽子は、すべてフェルトを使ってひとつひとつ手作業で丁寧に作られています。
帽子デザイナー・中間ヒメオさん
「1人でほんとチンタラやってるんですよ。休憩しながら」
帽子デザイナー、中間ヒメオさん。
鹿児島市の静かな住宅地にある工房で「ヒメオシャポー」の帽子を手がけています。
中間さん
「帽子職人って(最初は)名刺に書いてたんですけど、師匠である福岡の帽子の先生から『職人っていうのはなんでもできないといけない。なんでもできるの?あんたは』と言われて職人って1つ言葉のステージが高いなって。帽子デザイナーに(名刺の肩書きを)書き換えたんですけど」
約30年前、東京で建築会社の社員として働いていたとき、趣味で作り始めた帽子。
その後、35歳の時にふるさと鹿児島に戻ってから帽子作家として本格的に活動をはじめ、13年前、自身のブランド、ヒメオシャポーを立ち上げました。
いまの時期はフェルトを使った、主に秋冬向けの帽子を制作しています。
中間さん
「おもしろいですね。1枚仕立てでできるので、冬の帽子は軽くて通気性があって暖かさもある。特にウサギのフェルトは艶があって高級感もある。お肌をきれいに見せてくれたりする。大人の遊び心。楽しませてくれる。なめらかにカーブしてくれたりとか。とにかく帽子って1人歩きできない。ファッションの一部だし、人が身につけて、その方のコーディネートと合って仕上がるもの。フェルトの帽子をかぶっている人って少ない。そんな人たちに興味を持ってもらうには、どんなデザインがいいのかなとか、どういう形がかぶりやすいかなとか。やっぱりかぶってもらいたいので」
蒸気を当て、フェルトを柔らかくし、帽子の型にはめて形を作っていきます。
こちらは「クラウン」と呼ばれる頭を覆う部分。
しっかり型に沿うように、何度か蒸気を当てて調整します。
中間さん
「いつもこの木型、難関なんですけど、今日はすごくスムーズにできました。なんででしょう」
ヒメオさんが手がける帽子には独特の世界観があります。
その世界観を生み出すのに欠かせないのが、オリジナルの型です。
中間さん
「基本的な型は問屋さんで扱っている。ちょっとイレギュラーなものは自分で作るしかない。ちょっとキャスケットぽいのを作りたかった。これはヒメオオリジナル」
これまで手がけたデザインは約100パターン。
型作りから縫製まですべて手作業で仕上げるヒメオさんの帽子。
ほかでは味わえないフィット感を生み、オリジナルのデザインは、何気ないファッションをランクアップさせてくれます。
世界にひとつしかない手作りの帽子は、使い込むほどに愛着も生まれます。
中間さん
「どんなカジュアルなものであっても、気軽なものであっても、上品なものであってほしい。敷居が高いという人がいると思うが、一度、帽子をのせてみると顔が表情が変わったりするので、そこを乗り切って冒険する楽しみがあると、また一つ人生が豊かになるかも」
鹿児島を拠点に制作活動を続けるヒメオさん。
鹿児島にいながら、オノヨーコさんを始め、海外のアーティストの帽子も手がけてきました。
常設のショップは持たず、全国各地でのポップアップショップや展示会が販売の場となっています。
鹿児島を出てみようと思ったことはないのでしょうか。
中間さん
「鹿児島は全国で活躍している作家さん多いので、お手本になってくれる人がたくさんいた。こういう形でいれば、地方にいても県外でも発表の場を持てる。東京にこだわらなくても大阪がおもしろいなとか。モノづくりするってことに関してはそんなに場所は関係ないのかな」
鹿児島の小さな工房で、四季のうつろいを感じながら自分のペースで帽子を作り続けるヒメオさん。
ヒメオさんにとって帽子とは?
中間さん
「いろんな人と縁をつなげてくれてるし、世界広げてくれてる。人生って言ったらかっこいいんでしょうけど、楽しませてももらってるけど、苦しませられてもいる。人生一緒に歩いてる人みたいなもの」
ヒメオシャポーの展示会の情報などは、インスタグラムの中間ヒメオさんのアカウントで発信されているそうです。
