9月21日は「敬老の日」。
おもちゃに新しい命を吹き込んでいる80歳の“おもちゃドクター”が帯広市にいます。
子どもたちの笑顔を輝かせる現場に密着しました。
真剣な表情でおもちゃに向き合う男性。
実はおもちゃを「診察」しているんです。
帯広市に住む高橋章さん、80歳。
おもちゃをボランティアで修理する「おもちゃドクター」です。
「(Q今から何を?)接着してあるここを切っちゃう」(おもちゃドクター 高橋 章さん)
超音波カッターでの“緊急手術”もお手の物です。
高橋さんは2014年、「帯広おもちゃ病院」を“開業”。
毎週土曜日に4人のメンバーと3000点以上のおもちゃを“診察”してきました。
「じゃじゃん」
「すごい」(いずれも高橋さんの同僚)
同僚の救急箱の中には薬ではなく、電圧測定機やニッパーなど「修理道具」がびっしり。
高橋さんの“救急かばん”も特製です。
「こんにちは」
「ずっと使っていて1週間前に止まっちゃったんですよ」(いずれも病院におもちゃを持ち込んだ人)
「あららららら」(高橋さん)
さっそく“診察”です。女性が持ち込んで来たのは回転式のおもちゃでした。
「音楽と明かりはつくんですよ」(病院におもちゃを持ち込んだ人)
「まわらないね」(病院におもちゃを持ち込んだ人と高橋さん)
「電圧が来ていない」(高橋さん)
高橋さんは器用に、そして丁寧に、おもちゃに「メス」ではなくドライバーを入れましたが…。
修理に時間がかかるため、おもちゃは“入院”となりました。
入院もあれば退院も…。
修理を終えたおもちゃを受け取った人は…。
「私が小さいころ使っていたおもちゃで、いま流行っているが、インターネットで見ても、直すことが難しいって書いてあったので、来てみてよかったです」(病院におもちゃを持ち込んだ母親)
Q.いっぱい遊べそう?
「うん」(病院におもちゃを持ち込んだ子ども)
高橋さんによると“治療”の成功率は96パーセントだということです。
「ありがとう!」(病院におもちゃを持ち込んだ子ども)
Q.子どたちの笑顔は
「一番いいね、気持ちいいでしょ」(高橋さん)
高橋さんの“オペ室”には意外なものがありました。
Q.これは?
「映画で使うような三脚。木製の重いもの」
「昔のカメラ、弁当箱と呼ばれていた」
「カメラと三脚を持って白雲山に一人で登ったから。頂上まで50~60キロ(の重さを)背負って」(高橋さん)
ずらりと並ぶのは、テレビカメラや音響機材。実は高橋さん、68歳までは報道カメラマンでした。
現場から離れた後も週に一度、ボランティアを続ける理由を尋ねてみました。
「たまたま新聞を見たら、おもちゃ病院の講習あるよってなんか面白そうだなと思って講習受けた」
「(報道取材で)悲惨な現場とか、人に喜ばれない現場行ってたので、(おもちゃドクターになれば)少しは皆さんに喜んでもらえることができるかなと思った」(高橋さん)
北海道内の65歳以上の人口は約166万人。全体の3分の1を占める「超高齢社会」です。
いつまでも元気に過ごす秘訣(ひけつ)はなんなのでしょうか。高橋さんに聞いてみました。
「外にとにかく出る、いろんな人に会うこと」
「頭をやわらかくするためにも修理を続けていきたいかな」
「子どもにとっても、おもちゃは宝、おじいちゃんおばあちゃんにとっても家族だ」
「だから大事にしてあげたい」(高橋さん)
映像を撮る仕事から、おもちゃを診る“ドクター”へ。
高橋さんの目には、きょうも子どもたちの笑顔が映っています。
