この夏、広島市内の私立高校で教壇に立った25歳の新米教師。初出勤前、「眠れませんでした」と話すほど緊張していた清川璃子さんには、もう一つの顔がある。コートではなく教室で迎えた“デビュー戦”に密着した。
「眠れませんでした」教師として初出勤
雨の中、少し緊張した表情でやってきたのは、清川璃子さん、25歳。
「不安がいっぱいで、すごく緊張しています」
――眠れました?
「眠れませんでした」
7月1日。この日が教師としての初出勤だった。向かったのは、広島市のクラーク記念国際高校。
「おはようございます。清川璃子と申します。本日よりお世話になります。よろしくお願いします」
拍手に迎えられ、緊張した面持ちであいさつした。
クラーク記念国際高校の西本壮志広島キャンパス長は、清川さんにこう期待する。
「先生として言葉で伝えるシーンはあるが、シーズンが始まっていく中で、プレーする姿を見せることによって子どもたちに伝えられることはたくさんあると思う」
実は清川さんには、教師とは別の顔がある。
コートではプロバスケットボール選手
「14番、清川璃子です。チームの勝利に貢献できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」
清川さんは、プロのバスケットボール選手。広島県内で初めて誕生した女子チーム「広島イーグレッツ」に所属している。
チームは2025年まで兵庫県姫路市を拠点に活動していたが、経営難を受け、広島ドラゴンフライズが事業を引き継ぐことに。2026年5月から、広島を本拠地に再出発した。
広島との縁もある。
「おじいちゃんの家が広島にあるので、お盆やお正月に来ていた。すごく楽しみな気持ちで“広島に行きたいな”と思いました。ごはんもおいしいし、いい人ばかりだし、すごく素敵な場所だなって思います」
10月開幕「スリーポイントも見て」
ポジションはスモールフォワード。スピードに乗ったドライブが持ち味で、身長170センチの体を生かし、得点だけでなくリバウンドにも絡む。
「今シーズンはスリーポイントもプラスで頑張ろうと練習してきているので、見てほしいです」
10月に開幕するWリーグ2部で1部昇格を目指す広島イーグレッツ。男子の広島ドラゴンフライズ・三谷桂司朗選手は、「バスケの魅力が広がることになると思うし、相乗効果が楽しみ」と期待を寄せている。
また、ブースターからも歓迎の声が聞かれた。
「楽しみですし、ドラフラみたいに頂点に立っていただけるとすごくありがたいです。盛り上がるし」
女子のプロチームが広島に誕生したことについて、「娘もバスケをやっているので、そういう道もいろんな子に可能性が出ていいなと思います」と話すブースターもいた。
「もっと生徒のことを知りたい」
公民の教員免許を持つ清川選手。広島ドラゴンフライズとクラーク記念国際高校が業務提携をしていることから、午前中は教師として生徒たちと関わる。キャンパス内には、“清川璃子先生が出場します!”と書かれた広島イーグレッツの試合スケジュールも掲示されていた。
コートでの新シーズンを前に、一足早く迎えた教室でのデビュー戦。
「いまから自己紹介を始めるんですけど、盛り上がっていきましょう!」
画面に赤ちゃんの頃の写真を映しながら自己紹介。
「バスケットボール選手の母と、陸上選手の父の間に、今から24年前に“爆誕”しました」
笑顔を見せ、緊張も少しほぐれたようだ。
「明るい生徒ばかりで、反応もよくて、やりやすい。もっとコミュニケーションとって生徒のことを知りたいし、広島イーグレッツとしての私やチームのことも知ってほしいなって思います」
シール好き! イマドキ女子な一面も
さらに、自己紹介ではこんな一面も披露した。
「実は私、シール集めにハマっていて」
「おお~」
生徒たちから声が上がる。
しっかり流行に乗る、イマドキ女子。分厚いシール帳を何冊も持つほどのシール好きで、テレビ新広島きってのシール好きディレクターと交換することに。
「これ、かわいくないですか?」
「おはじきシール、めっちゃかわいい~」
「やばーい! ありがとうございます」
教師としての初日を終え、次は選手としての新シーズンへ。
「スポーツ王国の広島で、他のスポーツに負けないように、私たちも頑張りたいと思います。広島の皆さんにお会いできるのを楽しみにしていますので、ぜひ会場で応援してください!」
(テレビ新広島)

