埼玉・川越市は「小江戸」と称され、江戸時代の城下町の面影をいまに伝えています。
観光客の増加を踏まえ、市は市内を訪れる観光客らを対象に、観光税を導入する検討を始めました。
取材班が11日、現地を訪れると観光客に向けたマナー違反防止の看板が多く目につきました。
川越市は外国人観光客を含めて年間700万人以上が訪れるといい、蔵造りの街並みで人気の一番街など、各地で「オーバーツーリズム問題」が生じています。
「プランターに腰を掛けないでください」という注意書きをおいた店もあり、そこには英語で「ここに座らないで」とも書いていました。
お土産店の店員は「座って壊されてしまうのも困るんですけど、ゴミをこういうところに置いて行かれる方もいらっしゃるので」と話します。
2024年、取材した際には歩道に多くの観光客があふれ、通行人が車道を歩かざるを得ない状況になっていました。
そのため、観光客のすぐ横を車が走り抜けていました。
さらに、横断歩道のない箇所で道路を横切る危険な横断も横行していました。
市は、こうしたオーバーツーリズムによる市民生活への影響が大きくなってきたことを考慮し、観光税の導入を検討しています。
想定されるのは、宿泊料金に税を上乗せする「宿泊税」や駐車場利用者への「駐車場利用税」などです。
川越市は現在、一般財源を使ってマナー違反や混雑などへの対応に当たっていますが、深刻化するオーバーツーリズム対策に特化した財源を確保するため観光税の検討に入りました。
川越市 財政課の吉田英仁副課長は「市民生活の維持向上を図りながら、来て良かったと思ってもらえるような、来訪者の満足度が高まる施策にもあわせて活用したい」と話します。
観光税の導入について、店側からは「(オーバーツーリズムで)危険が多いので、(税収の)お金を安全面に回してもらえるならうれしいな思う」「店の人間としては、やっぱりお客さまはたくさん来た方がうれしいから、そういうのはなくしてほしいけどね」「(観光客に)負担がかからないのが一番いいんじゃないかと思う」などといった声が聞かれ、反応はさまざまです。
観光客からは理解を示す声が多く聞かれました。
「仙台でも北海道でも観光地は宿泊税が導入されているので、当たり前かなみたいな感じで思ってます」「観光客から(観光税を)取って整備に回すってやり方は、根本は間違ってないと思う。町の整備とかに使ってほしい」
市は課税内容などについて有識者らと議論を進め、2年ほどをかけて具体的な方向性を決めていきたいとしています。
