全国各地でクマが出没し、農作物が食い荒らされる被害や人的被害も発生しています。
今月3日、京都・舞鶴市では、京都府として初めて「緊急銃猟」が実施され、住宅に現れたクマが麻酔銃で捕獲され、その後殺処分されました。
早急な対応で人的被害は出ませんでしたが、舞鶴市には「熊をなぜ殺すのか」「被害も出ていないのになぜ?」と疑問の声が寄せられました。
中には、舞鶴市の職員に「死んで」「クマより能力が劣ると認めろ」などという電話も…。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」取材班は、実際の電話音声を独自入手しました。
さらに、舞鶴市長は「誹謗中傷や脅迫にあたる」と怒りを露わに。これについて元大阪府知事の橋下徹氏は「市長が強く反論することは非常に重要だ」と指摘しました。
■「『クマより能力的に劣っている』と認めろ」
今月3日、京都・舞鶴市の民家の軒下にツキノワグマ2頭が居座り、近畿では2回目、京都府としては初めての「緊急銃猟」が行われました。
この対応について、「職員への誹謗中傷電話」が舞鶴市役所に寄せられました。
取材班が入手したその電話内容が…
【電話音声】「そんなに生きているものを殺さないと気が済まないのか。銃を取り出す時点で間違っているんだ。
お前らは頭が悪いんだって。『クマより能力的に劣っている』と認めろ。『学習能力のない生き物』と認めろ。何なら『死んでくれ』って思っているからね」
舞鶴市によると、駆除後に寄せられた電話は10日時点で58件。
そのうち39件が否定的な内容で、「クマ殺し」「殺し屋」「地獄に堕ちろ」といった内容だったということです。
■舞鶴市長は「誹謗中傷」に怒り
こうした状況に舞鶴市長は怒りの声をあげています。
【舞鶴市・鴨田秋津市長】「誹謗中傷もしくは脅迫とも取れる電話がありまして、大変憤りを感じておりますし、怒っております」
誹謗中傷が寄せられていることをSNSでも発信しました。
■なぜSNSで発信?舞鶴市長の思い
なぜ、SNSで発信したのか。取材班は鴨田市長に単独取材を行い、真意を聞きました。
【舞鶴市・鴨田秋津市長】「全国からクレームが入って、SNSでも好き勝手言われるというこの実情を知っていただくことが大事かと思った。
実際に適正に緊急銃猟を実施しなければいけない場面において、こういった心無い投稿が、適正な判断に水を差すんじゃないかと思ったんです。
やることを徹底的にやって、その上で住民の命を守る際には『躊躇なく緊急銃猟を実施してください』という全国に対するメッセージでもありました」
■「誹謗中傷」で職員は疲弊…
誹謗中傷の電話は緊急銃猟の対応で疲弊した職員に、追い打ちをかけるようにかかってきたといいます。
【舞鶴市・鴨田秋津市長】「(緊急銃猟のあと)夜中まで働いて、早朝も朝イチからパトロールに職員は出動している状況があった。その間にも、じゃんじゃんクレームの電話がかかってくるということだったので、本当に職員は疲弊しましたし、他の仕事は手にかない状況が発生しました」
市民から感謝の手紙も届く中、「心無い言葉」を投げかけてくるのは“現地の実情を知らない人”だと指摘します。
【舞鶴市・鴨田秋津市長】「今回の場合は断腸の思いで(緊急銃猟を)実施したわけですけれども、これまでの経過を無視して『野蛮である』とか『熊殺し』と言われて、コンクリートの狭間の中で生きている方々には想像ができないと思う。
現場がどういう状況であったかもご存じない中で、まあよくも好き勝手言えるなと、もう憤り、本当に怒っています」
舞鶴市は今後、行き過ぎた誹謗中傷に対し、厳格な対応を取っていくということです。
■「市長が強く反論することは非常に重要」と橋下徹氏
元大阪府知事の橋下徹氏は、鴨田市長の対応を評価しました。
【橋下徹氏】「市長の今回の対応は立派だと思いますよ。日本って、公務員は市民からの色んなクレームに対して反論できないんですよね。ですから、公務員の状況を最後に代弁するのは選挙で選ばれたトップですから、市長がああいう形で強く反論するということは非常に重要だと思います」
その上で橋本氏は、職員が本来の業務に専念できるようにするために、「誹謗中傷の電話対応をコールセンターなどに外部委託することも1つの手」だとしました。
■「代案あれば出馬して」と小原ブラス氏
この問題について、コラムニストの小原ブラス氏は「代案があるなら出馬して行政を変えるべき」と指摘しました。
【小原ブラス氏】「こんな(誹謗中傷に)対応する必要あるかなとは素直に思います。海外だったら麻酔銃で撃って森の奥に連れていくという対応をする国もあるみたいですが、日本が同じようにすることはできないんですね。
国土の問題もあるし、近くのところに放ってもまた戻ってきて、それで人が死ぬ可能性もある」
行政もクマを殺すことを喜びとしてやってるわけでもない。泣く泣く仕方なくやっている。
違うやり方や代案があるのであれば、自分が出馬して行政のやり方を変えるのが民主主義的なやり方なので、ああいう暴言はやり方が違うし、対応しなくていいかなと思いました」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年9月11日放送)
