商品の値上げラッシュが続く中、食卓に欠かせないコメの価格が下落傾向にある。
1年11カ月ぶりの水準に
農林水産省によると、スーパーでのコメの販売価格(5キロ)は、2026年1月には4416円だったが、徐々に下落し、8月17日の週は3156円にまで落ち込んだ。実に1年11カ月ぶりの水準だ。(*8⽉24日の週は3112円)
なぜ、コメの価格が下がっているのか。原因の一つが、2025年産のコメ、いわゆる「古米」が大量に余っていることだ。
直売所が打ち出した苦肉の策
現場ではどのような対応が取られているのか。高知市にある直売所「とさのさと」の精米コーナーを訪ねた。
店舗には新米と古米が並んでいるが、どちらも価格は同じに設定されている。通常であれば新米の方が高値で取引されそうだが、現実は違っていた。
橋本店長は次のように語る。「新米の方が安く古米の方が高いという状況で、古米が売れなくなる状態は防がないといけないので金額の統一」。
多く残っている古米が余らないよう、価格を新米と同じになるように下げて販売。客は値段ではなく、好きな銘柄を選ぶ傾向にあるようで、新米も古米も同じくらい売れているという。
次の年への連鎖という懸念
しかし、現場の不安は払拭されていない。古米の在庫を抱えながら新米を販売し続けることで、新たな問題が浮上している。
「本来、新米だけの販売でいいところが令和7年産(古米)も踏まえての販売になる。次に令和8年産(新米)が余ってしまって、次の年まで影響を及ぼすのではないかと心配は多少ある」と店長は不安を口にする。
こうした状況を受け鈴木農水大臣は、政府備蓄米について9月中に2025年産の21万トンを買い戻す考えを表明した。これにより今後のコメの価格がどう推移していくのか、引き続き注視していきたい。
