東京電力は福島第一原子力発電所3号機で、事故前に核燃料を覆っていた原子炉本体“圧力容器”の底に「直径約3mの穴が開いていることが分かった」と明らかにした。2011年の事故で核燃料が溶け落ちたことで生じたものと推定される。
これは東京電力が8月27日に開いた会見で明らかにした。
東京電力は2026年3月に福島第一原子力発電所3号機の格納容器内で、超小型の“マイクロドローン”を飛ばして撮影などを実施。3号機では初めて “原子炉圧力容器の底部とみられるもの”を撮影し、圧力容器底部に穴が開いている可能性を示唆していた。
今回、撮影した映像をもとに内部を三次元で再現・解析した結果、「直径約3mの穴が開いていることが分かった」とした。
映像では、事故前には圧力容器の中にあったはずの構造物が落ちている状況も確認できていたほか、「圧力容器底部とみられる」としていた部分に“つらら”のように付着物、そのほかにも大きな塊も確認でき、東京電力は「燃料デブリの可能性はあるが、映像だけで判断するのは難しく、今後、放射線量の推定などの詳細な分析を進めていく」としていた。
3号機では2037年度以降に燃料デブリの大規模取出しが計画されている。2011年の事故後、原子炉への注水などで格納容器内の水位が高い状態にあり、格納容器につながる経路として整備されているのは比較的高い位置にある内径の小さい配管のみ。今後は内径の大きなアクセスルートの開拓が必要だが、現状の調査として約12cm四方の“マイクロドローン”をこの細い配管から格納容器の中に飛ばし、映像取得などの情報収集をしていた。
この際には格納容器へとつながる比較的内径の大きな配管についても撮影され、大きな損傷や大きな干渉物は確認されなかった。この配管について東京電力は「取出し装置を挿入するルートとしての可能性はある」としていた。
東京電力は2026年度中に2回目のマイクロドローン調査を行うことを目指していて、燃料デブリの広がりなどを確認したい考え。
3号機の燃料デブリ大規模取出しをめぐっては、2025年7月に東京電力が原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)に工程案を示し、一定の技術的な成立性が確認されている。
NDFによると東京電力の工程案では、格納容器上部の“上蓋”に穴をあけて工具を入れ、ウォータージェットで内部の構造物や燃料デブリを破砕して細かくしたものを下に落とし、格納容器の横側に設置した装置で吸引、連続回収することを想定。放射性物質の飛散防止などのために設備や建屋を増設する必要があり、東京電力は「準備に12~15年かかる」としている。大規模取出しの開始は2037年度以降とされ、これまで掲げられていた目標である「2030年代初頭の着手」の達成は極めて困難な状況となっている。
福島第一原発には1号機に279t、2号機に237t、3号機に364tの計880tの燃料デブリがあると推計されている。
2051年までの廃炉完了に向け、安全かつ着実な作業の実行が求められている。
