多くの職種で深刻化している人手不足解消につなげようと先月、富山県が独自の人材マッチングサービスを始めました。
「富山マッチボックス」というサービスで、単発・短時間のスポットワークを中心に、長期雇用にもつながると期待されています。
その効果について現状を取材しました。
富山県高岡市の特別養護老人ホーム「鳳鳴苑」です。
*マッチボックス利用男性
「飲みますよ」
富山県小矢部市に住む介護福祉士の男性です。
先月から始まった県独自の人材マッチングサービス富山マッチボックスを利用しこの施設で働いています。
以前は、別の人材マッチングサービスを利用していましたが、「富山マッチボックス」に切り替えたのには理由がありました。
*マッチボックス利用男性
「富山県という(行政で)しっかりされているから(民間で)色々あるがそれよりはいいのかなと。ここの施設でずっとマッチボックスを利用して働こうかなと」
「富山マッチボックス」は県内の事業者がサイトに求人を掲載し県内外から登録者が応募するシステムで、スポットワークを中心に、長期雇用を前提とした体験就業などの求人も掲載することが可能です。
こちらの介護施設で働いている男性は、普段は県内の別の介護施設で正社員として働いていて、隙間時間を有効活用し、スキルを幅広く身につけたいと、週に1回ほどこちらに勤務しています。
男性は基本的に施設利用者のことを知る職員とペアで行動し、利用者の歯磨きやベッドへの移動、トイレ誘導などをサポートしています。
*マッチボックス利用男性
「大変やと思わない。完全な休みの日に月に5、6回半日くらい(勤務)。疲れるとか全く感じない」
普段と別の施設で働くことで介護の仕事をしていく上でのメリットも感じています。
*マッチボックス利用男性
「(同じところで働いていると)介護に対する考え方がほとんど決まってくる。全く違うところに来て新たな発見があって楽しい」
この介護施設では5年前、グループ全体で正社員とパート合わせて230人ほどが働いていましたが現在は約220人。
10人から20人程度人材が不足している状況です。
*鳳鳴苑 向井文雄施設長
「求人に応募する人が少なく、ニーズに合う人がなかなか採用できない。そういう問題はずっとある。どんなことをすればいいか分かっているのでスムーズ。最終的には長期雇用に繋がらないかと採用している」
介護福祉や看護、建設分野は特に人材不足が深刻化していて県も重点的に支援する考えで、今年度は「仲介手数料」を無くし求人掲載のハードルをさげるなど効果的な活用を促しています。
*鳳鳴苑 向井文雄施設長
「(給料の)30%、他のサービスでは(手数料として)かかる。今は無償ですごく良い」
この介護施設のように上手くマッチングする事業所がある一方で、まだ、双方で登録者が少ないのが現状で、すぐにマッチ出来ないケースも。
富山マッチボックスに求人掲載した建設業では「ニーズに合わず採用を見送った」や、「HPに掲載しているが応募が来ない」といった声も聞かれました。
*県商工労働部 広岡信吾さん
「(建設業で)掲載されている求人を見ると長時間で資格や技能が必要な求人が多い」
去年、県が行った調査で「スポットワークを活用したことがある」と答えた企業はわずか5.1%。
今月14日時点でマッチボックスに登録している求職者は938人、企業はわずか45社と、登録者数を増やしていくことが課題です。
県は5月から企業向けの説明会を定期的に開催し、マッチングサービスへの理解を深めながら、人材不足解消への一歩として短期間・短時間のスポットワーク導入も推奨しています。
*県商工労働部 広岡信吾さん
「色んなことを試していただきながら自社にあったやり方を探す中でスポットワークを試し、人材不足の状況を乗り切っていきたい」
まずは富山マッチボックスを事業者と求職者の母数を増やすことが双方のマッチングを増やすカギになります。
