8月24日で、福島第一原子力発電所での処理水放出開始から3年となる。
これまでに通算22回の放出が行われ、約17万2,729tの処理水が海水で薄められて海に放出された。8月6日時点で、処理水等の貯蔵量は放出開始前から約7%減少している。貯蔵されている水の中には処理水放出の基準を満たす前の“処理途上水”も含まれている。
放出開始からの累計放出トリチウム総量は約39兆ベクレル。タンク内のトリチウムがゼロになるのは2051年とされている。
福島第一原発1号機から3号機の原子炉の中には、事故で溶け落ちた核燃料が固まった“燃料デブリ”が存在する。“処理水”はこの燃料デブリなどに地下水や雨水などが触れることで発生する“汚染水”から大部分の放射性物質を取り除いたもの。海洋放出は2023年8月24日に開始された。
処理水の放出は、敷地を圧迫する1000基あまりのタンクを減らし、廃炉のためのスペースをあけることが大きな目的のひとつとなっている。処理水放出によりカラになった溶接型タンクの解体をめぐっては、2025年2月に初めて「J9エリア」と呼ばれるタンク12基分の場所の解体に着手し、9月に完了。2026年1月には、“処理途上水”が保管されていた「J8エリア」のタンク解体に着手。これらは3号機の燃料デブリ取出し関連施設の建設場所として計画されているという。
処理水の海洋放出は、放出前の水をためる水槽と海水面の高低差を利用して海に流れるようになっているため、海面が高くなって水が逆流してしまう恐れがある場合や、設備の安全性を確認すべき場合には放出を停止することが定められている。
震度5以上の地震や津波注意報、竜巻注意情報(発生確度2)、高潮警報などで放出を手動停止することが決まっていて、これまで2024年3月の地震、2025年7月の竜巻注意情報や津波注意報、同年12月の津波注意報で手動停止したことがある。
また、2024年4月には、屋外で掘削作業を行っていた作業員が地下のケーブルを傷つけ停電を発生させたことで約6時間半にわたり放出が停止するなどのトラブルもあった。
一方、周辺の環境への影響をめぐっては、放射性物質の基準を超えるなどの大きな問題は発生していない。
東京電力は「長期にわたる継続的な取り組みとなるので、引き続き緊張感を持って安全の確保に万全を期していく」とした。
内堀知事は8月24日の定例記者会見で、処理水放出開始から3年となることについて「国内外の理解が進み、結果として福島県の水産業・水産物に対する直接的な風評は比較的影響が少なかったと実感している」などとしたうえで、「一方で、海外においては一部の地域が県産水産物のみならず、日本全体の水産物に対して輸入規制等をかけ、今なお一部が継続しているという状況にある」「東京電力においては実施者として安全を確保し、決して万が一のことが無いように取り組んでいただくことが何よりも重要」と安全の重要性を強調した。
国と東京電力が掲げる第一原発の廃炉完了は2051年。
タンク内のトリチウムがゼロになるのも2051年とされている。
