東京都内の動物園でライオンが熱中症のような症状で相次いで死んだ。
専門家は、サバンナに生息し、暑さには強い印象があるライオンも、日本の夏の気候の特徴である「高温多湿」には弱いと指摘した。
newsランナーが取材を進めると、暑さでピンチとなっている人気の動物がほかにもいることが分かった。夏ならではの動物園の対策を取材した。
■多摩動物公園で飼育されているライオン3頭が相次ぎ死ぬ
来園者:きょうはガオガオがいないね。
東京の多摩動物公園で飼育されているライオンが先月次々と体調を崩し、3歳・11歳・15歳のメスのライオン3頭が、相次いで死んだ。
いずれも人間でいう「熱中症」のような症状だったという。
多摩動物公園 中村壮登さん:複数頭が同時期に(死ぬ)というのは展示を始めてから初めてかなと。

■暑さには強い印象があるライオンも…日本の夏の高温多湿には弱い
この痛ましい事態の原因は何だったのか。
専門家は、サバンナに生息し、暑さには強い印象があるライオンも、日本の夏の気候の特徴である「高温多湿」には弱いと指摘する。
外平動物総合事務所 外平友佳理 獣医師:(ライオンは)汗をかけないので人間と違って。汗の代わりに呼吸の熱で(体温を)下げるから湿度が高いと下がらない。
ライオンが体温を下げるには、口で呼吸して水分を蒸発させ、その水分とともに熱を外に出す必要がある。
空気が乾燥していれば水分と熱を多く逃がすことができるが、当時、動物公園の隣の八王子市では気温は38度を超え、湿度は70パーセントに達した日もあり、体温がうまく下がらなかった可能性がある。

■アフリカに生息するキリンも“夏バテ” 原因は日本生まれ?
暑い地域に生息している動物でも、耐えられない日本の暑さ。
いま、動物園では何が起きているのか。
newsランナーが取材したのは、100種類以上の動物を飼育している京都市動物園。
京都市動物園 和田晴太郎園長:こちらがオスのキリンのスペースですね。
ライオンと同じアフリカに生息するキリンのイブキ(オス・9歳)は暑さで食欲が落ち、夏バテ気味だという。
京都市動物園 和田晴太郎園長:人間にもだるそう・しんどそう・疲れてそうな動きのイメージあるが動物にもある。うちのキリンも多いですけど、ほぼ日本生まれ。京都の暑さに慣れてきているけど、ことしの夏は体調が悪くなった。

■さまざまな暑さ対策 日よけに、冷風機に
5日の京都市の最高気温は36.6度。
直射日光を遮断する素材で日よけを設置するなど対策している。
この暑さでヤギのヨシノ(メス10歳)もエサを食べず、動いてもふらつくなど“夏バテ”の兆候が…
いまは寄付で購入した冷風機で療養中だ。
京都市動物園 和田晴太郎園長:(冷風機を)導入して数日しかたってないけど、体調はまずまずの状態になっている。

■「夏にダウンジャケットを着ている状態」 寒さに強いレッサーパンダは暑さが苦手
さらに、この暑さで特にピンチを迎える動物が…
京都市動物園 和田晴太郎園長:ここエアコンがあるので、23度か24度で設定している。人間で言えば夏にダウンジャケットを着ているような状態になっている。
中国やミャンマーなどの高い山の涼しい場所に生息するレッサーパンダだ。
京都市動物園 和田晴太郎園長:寒さに強い体毛なので熱が逃げにくい。
取材班への挨拶なのか、外に出てきてくれたと思いきや…すぐに室内へ。
暑い外はやっぱり無理なのか…エアコンのきいた部屋へあっという間に後戻りした。

■気候の変化で対応に追われる動物園 飼育員の努力が続く
動物たちへの暑さ対策に追われる動物園。
こんな苦悩も…
京都市動物園 和田晴太郎園長:建物を作ったときにはそれほど必要でなかった動物舎にも、あとの工事で空調をつけたりもしてますし、暑さ対策は常に考えていかなきゃいけない課題だと思っている。
予想していなかった気候の変化で当初の設備ではこの暑さに対応しきれない現状がある。
飼育員などが日陰を作るテントを張り、寄付を募るなど動物たちの命を守るために日々の努力が続いている。
(関西テレビ「newsランナー」2026年8月5日放送)


