7月21日、改正道路交通法が施行され「酒酔い運転」について明確な数値基準が設けられた。中々なくならない飲酒運転だが、夏はお盆の帰省や旅行で酒を飲む機会が増える。加藤葵アナウンサーが石川県警で“フラフラになるゴーグル”を着用。また飲酒運転の疑似体験ができるシミュレーターにも挑戦した。そのほか医学的な見地からアルコールが人間の体や判断に与える影響などを調べた。
男性:
「飲酒運転!? だめですよ、飲酒運転」
女性:
「運転しないです、でも。飲みに行くときは運転しないので。何にも手段がないときはタクシー呼ぶか、連絡したら迎えに来てくれるんで」
夏休みやお盆など酒を飲む機会が増える時期を迎えた。酒を飲んだら運転をしない、当たり前のことだが、金沢医科大学の尾崎臨床准教授によると…。
金沢医科大学消化器内科学 尾崎一晶臨床准教授:
金沢医科大学消化器内科学 尾崎一晶臨床准教授:
「アルコールは脳の神経細胞の働きを抑制しますので、判断力の低下につながります。飲んだら、運転しちゃいけないと誰しも自己規制をかけると思うんですけども、その判断ですらやっぱり鈍ってしまう。(自分に)甘くなるってことですね」
石川県では7月下旬にも、老舗酒造店の代表が酒気帯び運転で逮捕された。酒を造っている人でさえ判断を誤った事件だが、では飲酒運転はどのくらい危険なのか。
石川県警交通企画課の西村次席に飲酒運転の危険性について聞いた。次席に渡されたのは、飲酒をした時の視界を体験できるゴーグルだ。
石川県警交通企画課 西村泉次席:
「眼鏡をかけて歩いてみて、どのくらいの酔っぱらっている状態かっていうのを体験していただければと思います」
加藤アナ:
「ではこのメガネをつけて線を歩いてみます。でもなんか地面がもう斜めなんですよね。線もダブって見えますし、視界がグラグラしてますね。どこを歩いてるのかちょっと分からないんですけど、私なりに線を踏もうとしてます。すごい。グラグラする」
西村次席:
「お酒をいっぱい飲むと、こんな感じにフラフラしますよね」
加藤アナ:
「外します。全然違う。まっすぐ歩けていましたか?」
西村次席:
「やっぱりフラフラしてましたね。お酒を飲んで酔っぱらっている人が歩いているような感じの動きになってましたね」
次は同じゴーグルを着けて運転シミュレーターにチャレンジ。
加藤アナ:
「ではゴーグルをつけて運転してみます。もうハンドルの位置が…。飲酒してたら多分こんなに集中力もないし判断とかも難しくなってくると思う。線がたくさんあるように見えて距離感が掴めないです。あっ、ぶつかりました…」
西村次席:
「反応が遅くなったり、速度感覚が鈍ったり、視野が狭くなったりっていうのが、飲酒運転の影響ですね。お酒を飲んで運転した人は、自分は酔っていないとか、少しのお酒なら大丈夫だろうとか、警察にバレなければいいと――。そういった軽い気持ちで運転される方がおられます。飲酒運転は本当に危険、悪質な犯罪行為ですので、絶対にしないでいただきたいです」

その危険な飲酒運転には、酒気帯び運転と酒酔い運転の2つがある。
「酒気帯び運転」とは、息の中のアルコール濃度が「1リットルあたり0.15ミリグラム以上」である状態。
「酒酔い運転」とは、まっすぐ立っていられない、会話もできないなど、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」だ。
「酒酔い運転」の基準が曖昧だったことから、今回の道交法改正では新しく「呼気中のアルコール濃度が1リットルあたり0.5ミリグラム以上」という数値基準も設けられた。もちろんこの数値未満でも正常な運転ができないと判断されれば、酒酔い運転となる。
今年1月、県内の警察署に勤務する男性巡査部長が「酒気帯び運転」をしたとして懲戒処分された。夜10時頃から1時間ほど缶チューハイ4本を飲んだが、翌朝8時45分頃になっても基準値を超えるアルコールが検出された。
では酒を飲んでから体からアルコールが完全に抜けるまで、どのくらい時間が必要なのか。

街の人:
「6時間か7時間かな」
「起きて風呂入って、もういけるかなっていう感じで。だから数えてはないですけど」
みなさん感覚で判断しているが、本当にアルコールは抜けているのだろうか。
金沢医科大・尾崎臨床准教授:
「アルコール20グラムを代謝するのに、3〜5時間かかると言われています」
アルコール20グラムは日本酒で1合ほど、ビールで5%・500ミリリットルの缶1本程度。
「たいていの方はもっと飲まれると思うんですよね。もちろん個人差ありますけど、ビール500mlで済む方はほぼいないので、普通は2本~3本と飲むでしょう。そうなると倍々になっていきます。それを目安に、自動車の運転再開っていうのを判断するよりないんじゃないかと思います」

2015年から11年間の石川県内の飲酒運転による事故は年間平均27.6件。一番多かった2018年には40件にまで達した。このうち死者数は年平均1.8人。また2026年に入ってからも6月末までに飲酒運転による事故が9件発生している。
罰則としては「酒気帯び運転が3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金」。「酒酔い運転は5年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金。35点減点、免許取り消しとなり、欠格期間が3年となる。
飲酒自体は自由だが、飲酒運転は人を死に追いやったり、自分の人生も一瞬で台無しにする可能性があること、そして悪質な犯罪行為であることを肝に銘じておこう。
(石川テレビ 8月5日放送)

