ホルムズ海峡の封鎖など、緊迫するイラン情勢を受け、石油関連製品の不足が懸念されています。中でもビニール袋やペットボトルの原料となる「ナフサ」の不足が表面化していて、その影響は私たちの住まいにも及んでいます。
■「塗装ができない」影響は“夢のマイホーム”にも
東海3県で注文住宅を手掛ける「国松工務店」、ナフサを原料とする塗料やシンナーの品不足に頭を悩ませています。
国松工務店の石黒章広さん:
「こういった家具類もクリア塗装をしていますのでシンナーを使うんですけど、こういった塗装ができない」

業界大手の日本ペイントは3月19日から、建築用のシンナー製品の価格を75%値上げしました。品不足も続いていて、塗料の確保が難しく、見積もりができない状況だといいます。
塗装業者とのLINEのやり取りには「材料もすぐに入るかは分からない状況。注文順に出すから5分後になくなっている可能性もある」など、切羽詰まった状況が記されていました。
石黒さん:
「(価格が)どれだけ上がってくるか読めない状況。新しい物件に関しては、どれだけ(塗料を)確保して進めていけるか模索中です」
断熱材は1カ月前に比べ2割値上げされました。さらなる値上げの話もあり、取材したモデルハウスの規模では、数十万円単位の価格上昇につながる可能性があります。

さらに、品不足となっているのがユニットバスです。
石黒さん:
「ユニットバスでも、コーティングやパネルの接着剤に影響が出ています。受注停止という形を取られていますね」

ユニットバスについて、TOTOとクリナップは新規の受注を一時停止。LIXILも受注が集中しているため、納期は未定としています。(4月16日時点)
住宅業界を悩ませる「ナフサショック」。今度、住宅価格のさらなる上昇につながる恐れがあります。
石黒さん:
「お客さまとも連絡は取っているんですけど、やはり不安に思われていて。引き渡し時にお客さまが喜んでくださる顔がやりがいとして仕事をしていますので、早く安定供給されることを願っています」
■広がる“ナフサショック” 政府は「目詰まりが発生」
この他にも、建材や住宅設備の値上げや受注停止が相次いでいます。

雨どいやパイプは、「積水化学工業」が5月20日分から20%以上値上げするとしています。
住宅建材を扱う「田島ルーフィング」は、4月6日から屋根などで使う防水材のすべての新規受注を停止。
「カネカ」は、4月出荷分から断熱材を40%値上げしました。さらに7月21日納品分から、床タイル・床シートなど20〜30%程度値上げすると発表しています。
赤沢亮正経産相は14日、石油関連製品のシンナーの流通に目詰まりが発生しているとして、メーカーに生産を抑えないよう要請したと明らかにしました。備蓄石油の放出などでナフサの供給量自体は足りているとして、「問題は解消できる見込み」としています。
