小泉進次郎議員の熱き国会改革提言…プリンスは泥にまみれて結果を出せるのか?

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  • 「平成のうちに」国会改革への決意
  • 「使命終えた」党首討論をどう改革する
  • 「発言」の政治家から「汗と結果」の政治家へ!?

“平成のうちに”国会改革を果たす!

W杯サッカー日本代表の決勝トーナメント進出を賭けた熱き決戦を8時間後に控えた6月28日午後、国会では小泉進次郎議員が、ひときわ熱く語っていた。

「合意されても実行されないという歴史を繰り返している国会改革を、1つでも前に進めるためには、期限を区切ってどんなに小さいと言われてもいいから、1つでも(風穴を)開けるんだと。それをこの実現会議に入って頂いている、全ての党派を超えた皆さんに共有して頂かなければ動かないのが、国会改革という大変大きな課題だ」

「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」の設立総会 6月28日

超党派の国会議員で作る「『平成のうちに』衆議院改革実現会議」の設立総会が28日、国会内で開催され、与野党100人以上の国会議員が詰めかけた会場は熱気に溢れていた。

事務局長を務める小泉氏が常々言い続けてきた、国会改革に向けたスタートが切られた形だ。

会合では前日に安倍首相が「歴史的使命は終えた」と嘆いた党首討論についても、「歴史的使命を終えてはいけない!」との声が挙がり、夜の開催や、あり方の見直しなどの意見が出たほか、首相や大臣が長時間拘束される国会の委員会の改善、国会改革を特別委員会で行ったらどうかなど、議論が交わされた。

そして、国会会期中は週1回程度のペースで議論を積み重ねていくことも確認された。

実は国会改革を巡っては、2014年に自民・公明などに加えて、当時の民主党など与野党7党が、首相や大臣の国会出席を減らすことや、党首討論の毎月1回の開催などで合意をしている。
しかし、今の国会を見る限り実現しているとは到底言えない現状だ。

今回の会の設立趣意書でも、「合意だけで終わらせず、与野党の垣根を越えて、共に実現していくことが、我々国会議員が主権者たる国民に対して果たすべき責任である」と強調されている。

森友・加計問題での政治不信からの脱却へ

“国会改革”についての提言発表 6月27日

「よりオープンに、より政策本位で、政治不信を乗り越えるための国会改革」

小泉氏は前日の27日にも、自民党の若手議員らで作る「2020年以降の経済社会構想会議」のメンバーらとともに、“国会改革”についての提言を発表している。

会議のメンバーは、これまで「政治における“平成”の総括」をテーマに、多岐にわたる議論を重ねてきた。

提言には「一年以上にわたり、国民と国会は森友・加計問題に振り回されてきた」と記され、一連の問題によって引き起こされた国民の政治不信の高まりを指摘し、「国民の政治不信に正面から答える政治改革が必要」として、“よりオープンに”、“より政策本位で”の2つを柱に、国会を改革すべきと提案している。

そして、具体的には、行政の公平性などに疑いが生じた場合、国会に「特別調査会」を設置して徹底的な事実究明を行うことや、内閣の説明責任を強化するために隔週で党首討論や大臣討論を開催すること、現在午後3時に行われている党首討論を、より多くの人が生中継で見られるように、夜に開催することなどが盛り込まれた。

小泉氏は会見で、「今の国会はスキャンダルとか疑惑、こうしたものが発生すると審議拒否などによって、党首討論、委員会、大きなビジョン、そして国民の生活に近い法案や政策、そういったものが、通行止めを起こして、いわば渋滞が発生するようなことが起きる」と指摘し、「時間も税金も、国会をこれ以上無駄遣いしてはいけない」と強調した。

さらに小泉氏は国会改革について「負け癖がついている」と指摘し、「“本当に国会改革って動くんだ、できるんだ、動いた”という体験がないといけない。今のサッカーワールドカップ見てください。勝ったら、空気が変わる」と、日本代表の勝利になぞらえ、実現への決意を語った。

党内からは厳しい声も…小泉進次郎の真価が試される時

「加計学園の問題はやっぱりおかしい」と述べた小泉氏 6月6日

こうして、国会改革に熱意を燃やす小泉氏だが、これまで“人気だけなら総理大臣を凌ぐ”と言われてきたものの、党幹部である筆頭副幹事長に就任してからは、やや精彩を欠いているとの指摘がある。

6月6日には、党の会合の中で、「加計学園の問題はやっぱりおかしい」と述べ、政府与党の対応を批判し、特別委員会の設置の必要性を訴えた。

自民党内としては異例のこの発言について小泉氏はその後、「党内でもそういう風に思っている方はいると思う。だけど現実として、それを言える方、言えない方、いろんな状況がある。おかしいことはおかしい、そう言えない自民党はいつか見放されるそうあってはいけない」と、党内の意見をあえて代弁したものだと説明した。

しかし、発言があまりに過激すぎたのを自覚したのか、小泉氏はその後メディアの取材を受け付けず、しばらく担当記者の取材を避け続けるような形となった。

“政治家にオンオフなし”とまで言っていた小泉氏はどこに行ってしまったのかと思う光景だ。
これについて小泉氏は27日苦しい胸のうちも吐露した。

政治家はいつも言っているというのもよくない。「沈黙は金」という時もあれば、今こそ言わなきゃいけないということもある。その最後の判断はまさに政治家の判断だ

国会改革自体、小泉氏は去年も提唱していたものの、関係する各所への根回し不足で出鼻をくじかれ、大きくスタートが遅れた経緯もある。

今回の案についても、与党の国会対策関係議員からは、自らを跳び越す形での提言に冷ややかな目が注がれ、野党内からは政府与党への数少ない抵抗手段を奪われることへの反発が必至のため、実現は簡単ではない。

自民党内では小泉氏について「今まではワンフレーズで発言すればよかったが、その限界が来ている(自民党幹部)」との声や、「知名度に実力が追い付いてきていない(自民党若手)」と厳しい声も出ている状況だ。

つまり、小泉氏に求められているのは、「発言」だけではなく、「汗」と「結果」だということだ。そうした中で、国会改革の会合での小泉氏の言葉には注目しておきたい。

しっかりと汗かいて、野党の皆さん含めて、どれだったら動かせるのかなと。その一点だと思います。自分たちが今まで訴えたことが形になるのではなくて、1個でもどこだったら皆さんの合意が得られるか。そういったところが大事だなと思います

若くして、注目を浴び、政界のプリンスとも言われる小泉氏。泥臭く汗をかいて、国会改革を“平成のうちに”実現できるのか。政治家としての1つの正念場を迎えている。


(政治部 中西孝介 空閑悠)

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