北朝鮮の金正恩委員長は午前9時半前、多くの護衛に囲まれ、軍事境界線のある板門店の北朝鮮側施設「板門閣」から姿を表した。

2人で国境を超える仕草を見せた、金正恩委員長と文在寅大統領は、現在歴史的な南北首脳会談をおこなっている。

北朝鮮に何度も入り「北朝鮮・ 驚愕の教科書 」などの著書で知られる、宮塚寿美子氏に今回の会談で感じたことを聞いた。
 

 
 
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ーー2人の握手をどう見た?

融和モード全開でした。
出会いの瞬間、親子ほど歳の離れた二人ですから、金正恩が出した手を、文在寅が受け止めると。
文大統領の方に、少し余裕らしいものを感じました。


ーーこの会談の意義は?

非核化の先に南北統一があります。
米朝会談にむけた成果も示したいところでしょう。
金正恩委員長は穏やかな様子で、緊張緩和を意識していると思います。


ーー儀仗隊についてはどう感じた?

朝鮮民族の誰もが知っている、いわば魂の歌である「アリラン」が流れていたのが聞こえました。
韓国軍側がアリランを演奏するのは、緊張緩和を強く意識していることの表れだ。


ーーこれまでに印象に残ったことは?

2人の子供が両首脳を出迎えたことです。
韓国側が考えたのだとは思いますが、金正恩氏は子供たちをかわいがっていました。
金正恩氏がこれを事前に知っていたのかどうかは分かりませんが、自分にとっては一番意外な光景でした。
融和ムードを全世界に向けた発信は成功したと評価していいでしょう。


ーー父の宮塚利雄さんは「ベルリンの壁の崩壊以上」の出来事と話していました。

私も鳥肌が立ちました。昨夜から眠れなかったですね。
奇跡的な光景でした。
 

 
 

首脳会談は予定より15分早く、10時15分から始まった。

最大の争点となる北朝鮮の非核化については、事前協議で調整がついていないということで、ぶっつけ本番で議論がかわされているとみられる。

午後には2人で、軍事境界線上に記念植樹して、付近を散策する予定となっている。

 

プライムオンライン編集部
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