バリアフリーに配慮し廊下が広く段差が少ない作り

東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が、選手村の概要を発表。ベッドやテーブルなどの家具も公開された。

東京・中央区晴海で建設が進められている選手村の敷地は、広さ44haで3方向が海に囲まれる立地。

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選手が滞在する宿泊棟は21棟3850戸で、オリンピックでは1万8000人、パラリンピックでは8000人が滞在する予定だ。

パラリンピックの選手に配慮し、廊下が広く設計されているほか、段差が少ない作りになっている。

また、各部屋に置くベッドやテーブル、クローゼットなどの家具も公開された。

ベッドのフレームは環境に配慮して、再利用できる軽い段ボールで作られていて、選手らが好みに合わせて室内のレイアウトを変えることもできる。

跡地マンションの販売予定価格は4900万円台~2億2900万円台

一方で、選手村跡地の分譲マンションの販売概要が全て出そろった。

三井不動産などは、東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地のマンション「HARUMI FLAG」の3つの分譲エリアのうち、新たなエリア「SUN VILLAGE」の販売概要を発表した。

「SUN VILLAGE」は北側に銀座方面を望む7棟、総戸数1822戸と選手村跡地で最大のエリアで、道を挟んですぐ隣にはスーパーなどの商業施設が立地することになっている。販売予定価格は4900万円台~2億2900万円台で、1月11日から事前案内会をスタートし、3月下旬から販売開始の予定。

「SUN VILLAGE」
「SUN VILLAGE」

すでに販売中の「SEA VILLAGE」「PARK VILLAGE」では、940戸の販売戸数に対して2220組の申し込みが入っていて、最高倍率は71倍、平均倍率は2.36倍となっている。

人間関係を醸成させていくことが街作りには大切

Live News αのスタジオではstudio-L代表でコミュニティーデザイナーとして全国の街作りに取り組んでいる山崎亮さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター
オリンピック終了後、1つの街が出来るわけですが、街作りがご専門の山崎さんはどうご覧になっていますか?

コミュニティーデザイナー・山崎亮氏
オリンピック後の街というのはある種特殊な状態なわけですね。普通は皆さんが住まれる街を一から作っていくことになりますが、選手村として作られた街を住宅に変えていくわけです。バリアフリーに配慮してあるとか大切な点を抑えて街作りをしていますが、昨今言われるスマートシティのように専門家がすべて至れり尽くせりで作ってしまうだけでは、住民にとって住みやすい街にならないということがわかってきています。

山崎亮氏
山崎亮氏

三田友梨佳キャスター
具体的にはどういった問題が挙げられますか?

コミュニティーデザイナー・山崎亮氏
例えば、ボタン一つで何でもできるなど便利であればあるほど、自分の家にこもってしまい、他の人と繋がりがなくても生きて行かれると錯覚を覚えてしまう危険性がある。人と繋がるのは楽しい反面、煩わしい部分もあるので、何かきっかけがないと、高齢化した後に誰かに助けて欲しいと思っても繋がりが無い街ができてしまうんですね

コミュニティーデザイナー・山崎亮氏
ですから例えば趣味で繋がれるきっかけがあるとか、スポーツの跡地だったらマラソン好きな人たちが集まってマラソン、ガーデニング好きな人たちはガーデニングができるなど、趣味で繋がった人たちが将来的にも助けあって相談相手になったりするような街。ハードで専門家だけで全部作ってしまう街ではなくて、そこに住んだ方々がワークショップを開いたり、話し合いの場を作ったり、人間関係を醸成させていくことも街作りには大切なことだと思います

三田友梨佳キャスター
計画配置された交通網やショッピングセンターなどのハード面での整備以上に、住んでいる人たちが主体となって考えていくことが大切ということですね。オリンピックの後、負のレガシーとならないためにも柔軟な街作りの実現が期待されます

(「Live News α」1月9日放送分)