週休3日&新設の休憩室 ある企業の「働き方改革」が生んだもの【長野発】

カテゴリ:ビジネス

  • 週休3日を可能にした「効率化」とは
  • 残業時間は減らし、「残業代」分はベアで還元
  • 休日増&残業減で、生産性はどうなった?

シフト改革で週休3日実現!

清涼飲料を製造するキリングループの「信州ビバレッジ」。
「おはようございます」
朝7時、社員が続々と出勤して来る。

入社7年目の召田正己(めすだ ・まさき)さん。工場で機械が正常に動いているか、製品に不備がないかなどを確認するのが主な仕事だ。

信州ビバレッジ 召田正己さん;
自分が担当しているのはこっちの麦茶です。
だいぶ充実した日々を送っている。モチベーションは上がりましたね。だいぶ前よりがんばれている。

召田さんのモチベーションアップ。それは会社の働き方改革によるもの。信州ビバレッジは去年1月から24時間操業の工場勤務に「週休3日制」を導入した。

それまでは社員を4つの班に分け、「1日9時間拘束・8時間勤務の3交代」とし、1班は休むというシフトだった。また、申し送りや休憩時間の確保のため、2つの班は2時間半程度、働く時間を重なるようにしていた。

それを「効率化」しようと重なって働く時間をなくし「1日12時間拘束・10時間勤務の2交代制」に変更したのだ。
1回のシフトあたりの労働時間は増えたが、これで2班が同時に休めるようになった。
この変更が「週休3日」を可能にしている。

信州ビバレッジ人事総務部 大場徹也部長;
1日の中で重なっている班がいる、班の中で余裕のある人員、班がある。ぴったりの人員でやれば1班しか休めないシフトのところを2班同時に休めるようになった。少ない人数でまわしていけるように組織変更したり。機械化も一部入れて今まで必要だった人数より少なくまわせるようにしたりと働き方改革も進めたまま少ない人数で今と同じ製造をつくり続ける形をとっている。

残業が減っても、給料は変わらない工夫

働き方改革を見越したこの変更で、年間の「所定休日」は49日も増えて169日に。年間一人当たりおよそ400時間あった残業時間は11時間とほとんど無くなった。
「残業代が減っては困る」という声に対し、会社側は労働組合と話し合いを重ね、ベースアップで還元することで理解を得たと言う。

信州ビバレッジ人事総務部 大場徹也部長;
1年かけて労働組合と相談しながら、どう働けば労働時間が減るのか、残業が減るのか。あと夜勤もきついところがあるので、その回数を減らしたりできないかと、さまざまな業界の情報を入れて当社に合うものがないかと検討した。会社の目的は人件費を削減することではなく、労働時間を減らして社員が体に負担をかけて残業したり、それを減らすことが目的なので、人件費は減らさずにやりましょうと。なので人件費は全然変わってない。

しっかり休める休憩室、休日も充実

さらに…

信州ビバレッジ人事総務部 大場徹也部長;
みなさんにゆっくり休憩いただくように、きれいな部屋を会社として用意した。

ソファで寝そべる社員たち。ここは今年1月に整備した休憩室。1シフトあたりの労働時間は増えたため、ゆったり休憩してもらおうと工場の音が聞こえないよう防音も施している。

信州ビバレッジ 召田正己さん;
最高。家に欲しいくらい。防音もすごいし、工場の中はうるさいのでみんな活用してます。

召田さんは熱心なJ1松本山雅ファン。休日、試合観戦する機会も増えたと言う。

信州ビバレッジ 召田正己さん;
試合に行ける機会が増えた。山雅熱も上がりましたね、ぐーんと。こんなによくできた改革はない。出来過ぎなくらい。

他の社員も…

工場勤務の男性A;
休日も増えて、プライベートの時間も充実しているので、仕事もその分がんばれる。

工場勤務の男性B;
趣味時間が取れるようになった。本を読んだりプラモ作ったり。かなり体的に楽になりました。

始業も終業も、時間は社員自身が決める

事務職の社員の働き方も変わった。こちらの女性社員は役所に行く用事があり、この日はいつもより1時間も早い7時半の出社。

事務職の女性社員;

早いと出社は6時くらい。遅いと午後2時くらいにでてくることもあります。

事務職には、これまで「午前10時から午後3時までは基本的に働く」という「コアタイム」が設定されていたが、これを撤廃。社員自身が始業時間も終業時間も自由に決められるようにした。

事務職の女性社員;
地域の役員を引き受けたりしているので、有休や半休でなくても3時間くらい早く上がれればいいなという時に、フレックスで対応できるようになったので非常に助かっている。

これにより事務職も年間で平均73時間程度、残業が減ったという。こうした取り組みの成果か、会社の生産量は前年に比べて2%増えた。
つまり生産性も向上したことになる。しかし、「まだ改善の余地はある」ということで、次の改革に向けて現在も労使で話し合いの場を設けているという。

信州ビバレッジ人事総務部 大場徹也部長;
まだ有休がとりにくい、稼動のときには休憩も一部削ってでも修理したりとかが発生するところがあるので、もうちょっと働きやすいようにできるかというところについては、まだまだ手を加えていきたい。仕事自体は大変だとしても、働きやすい会社にしたいねと。基本この会社に勤めてよかったと思えるように、長く勤めてもらいたい。

(長野放送)

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