――春子ちゃんとの出会いとお家に迎えた経緯は?

2022年3月21日の春分の日に出会いました。叔父の娘から「子犬が生まれたけど一匹両前足が無いんよ」と連絡があり向かいました。春子は他の兄弟より一回りも二回りも小さくて排泄も上手くいかないのか汚れていました。とても哀れで可哀想だと思いました。この子はどうやって生きていくのか、どんな成犬になっていくのか、生きていけるのか。それでも春子は授かった後足を懸命に動かし、ミルクを求めて生きようとしていました。

それから何日かして、飼ってくれないかと言われました。多頭飼いの経験もなく、福と上手くやっていけるのかなど考えましたが、幸せにしてあげたい思いが強くなり、主人や母の助けも借りることで迎えることを決意しました。“春子”という名前は、初めて出会った日の様にこの子の回りがいつも春の優しくて暖かい空気で包まれていて欲しいという願いを込めて付けました。

出会った当初の春子ちゃん。両前足は先天性でない
出会った当初の春子ちゃん。両前足は先天性でない

――お座りはどんな経緯でするようになったの?

両前足がないので、お座りなどは教えてはいませんでした。しかし、5月ごろ、福と春子がじゃれ合っていたら春子がおもむろに座ったのです。筋力もなくて弱々しかったのですが、とても驚きました。それを知っていたので、もしかしたらと思い、7月17日に試しにやってみたのが投稿の動画です。太郎や福がお座りをしておやつを貰っているところを日々見ていたから、出来たのだと思います。一発で理解しちゃんと出来た春子に感動と感心しました。

春子ちゃんが初めて座ったとき。じゃれあいがきっかけだった
春子ちゃんが初めて座ったとき。じゃれあいがきっかけだった

生活は難しいことだらけだが…元気いっぱいでほほ笑ましい

――両前足がないことでの難しさや苦労は?

難しいことや苦労ばかりです。普通の犬の様にリードを付けての散歩は考えられません。移動するにも車や自転車が必要です。自力で動く時は体の前部分の衝撃を胸で受け止めているため、ちょっとの段差や凸凹もケガをしないように気を付けなければなりません。常に目が離せません。

しかし、春子は心配もよそにピョンピョン跳ねて散歩し、少しの段差も平気で飛び上がります。その姿がいつも健気で胸が熱くなります。1歳になる頃には車いすの制作を検討しています。使いこなせたら、みんなとお散歩もできるし可能性も増えると楽しみにしています。

心配をよそに元気いっぱい。その姿に勇気づけられる
心配をよそに元気いっぱい。その姿に勇気づけられる

――春子ちゃんが好きなこと、挑戦していることはありますか。

食べることは大好きです。また、散歩をいつも楽しみにしているようです。散歩で出会う犬や人に関心を示し愛嬌たっぷりにあいさつをします。最近では、二足歩行の距離が長くなっています。体幹も筋力もついてくると本当にできるのではないかと楽しみにしています。