当時、2人が仲良さそうに話している姿や、LINEを交換している様子が、パーティーの参加者に目撃されている。この日からまもなく、2人の交際がスタートしたとみられている。長野容疑者は、「彼氏ができたよ」とうれしそうに知人に語っていたそうだ。そして、その年の11月下旬、長野容疑者の家に、男が転がり込んできたという。
現れた元競輪選手の男 そして”虐待が”・・・
関係者によると、スポーツ一家に生まれたというこの男は、元競輪選手で、カスタムが施されたスポーツタイプの高級外車を乗り回していたという。結婚もしていたとのことだが、男は、「妻がいたが、夫婦関係がうまくいかず、財産分与をめぐってもめている」と周囲に漏らしていたという。
沙季ちゃんへの虐待が始まったのは、男が長野容疑者と同居を始めた去年11月下旬以降とみられている。それまで沙季ちゃんは、元気に保育園に通っていて、アザなど虐待の兆候は確認されていなかった。しかし男の同居後、突如として保育園に通わなくなる。
2週間放置された末 3歳女児は息絶えた
少なくとも12月中旬ごろまでには、沙季ちゃんは両足の大腿骨を骨折したとみられ、そこから死亡する29日まで、必要な医療措置を受けないまま、およそ2週間にわたり放置された。
そして、骨折してまともに歩けない状態の沙季ちゃんは、顔をビンタされ、髪をつかんで引っ張られ、突き飛ばされるなどしたという。司法解剖の結果、死因は脳損傷と判明。突き飛ばされるなどした暴行の末に、頭を強く打ったことが致命傷になったとみられている。
最初の逮捕容疑である暴行について、長野容疑者らは、「しつけのためだった」などと容疑を認めていたが、今回の「放置」については、「骨折や歩けなかったことは知らなかった」などと容疑を否認している。
男との同居からおよそ1か月で、最悪の結末に至ったこの事件。男は、自ら命を絶ったとみられているが、だからと言って、この男が”やったこと”が許されるワケではない。県警には、男の暴行実態を含めた、沙季ちゃん死亡の経緯の解明が求められる。
(フジテレビ社会部・埼玉県警担当 金子聡太郎)