陸上競技とYouTuberの二刀流で活躍する89歳の男性。「記録」にこだわる男性の2023年の目標を取材した。

陸上競技 “投てき5種”で日本一の89歳

新潟県の海沿いに位置する柏崎市笠島地区。のどかなこの場所で野菜を収穫していたのは、黒崎弘明さん(89)。

黒崎弘明さん
黒崎弘明さん
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黒崎弘明さん:
野菜作りで元気をもらっている

こう話す黒崎さんの自宅を訪れると、賞状がズラリ。

黒崎さんの自宅
黒崎さんの自宅

(Q.これは何の賞状?)
黒崎弘明さん:

走る!投げる!マスターズ陸上の賞状

黒崎さんは2022年、全日本マスターズの砲丸投げや円盤投げなど5種目の得点で競う、投てき5種で日本一に輝いた陸上選手なのだ。

黒崎弘明さん:
一番ということは大変なこと。一番は一番でしょ?その上にいない。2番目はダメ。2番だと、まだ上にいるからね

陸上競技を始めたのは79歳! きっかけは…

そこで、日本一の実力を見せてもらうことに。

まずは砲丸投げ。85歳~89歳の部で10m05の日本記録を持つ黒崎さん。軽やかに飛んだ砲丸を計測してみると…

黒崎弘明さん:
いかないなぁ。7m50

(Q.ご自身的には?)
黒崎弘明さん:

7m40、50まぁまぁね。今練習していないから、練習すれば50cmくらい伸びる

続いて、50m走。松尾和泉アナウンサーと競争すると、ほぼ同時にゴール。

松尾アナウンサーと競争!
松尾アナウンサーと競争!

松尾和泉アナウンサー:
ほぼ、同じじゃなかったですか?

先にゴールしたのは…
先にゴールしたのは…

黒崎弘明さん:
負けました。あんたが一番だ

松尾和泉アナウンサー:
私、疲れちゃいました

疲れを見せず勝負を楽しんでいた黒崎さんが陸上を始めたのは7年前。それまでスポーツ経験はなかったという。

黒崎弘明さん:
79歳のときに胃がんで4分の3取った。だから、そのときに死ぬかと思って。どっちが勝つかやってみようと思って運動を始めた

「記録は残る」 YouTubeにも力を入れる黒崎さん

病気をきっかけに始めたのは運動だけではない。練習場所の山でセットしていたのはカメラ。黒崎さんが始めたのは、なんとYouTubeの撮影だ。

YouTubeの撮影
YouTubeの撮影

黒崎弘明さん:
この場所もこの間、撮ったのをYouTubeに載せた。皆さんに好評なんですよ

撮影から編集まで全て1人で行っている黒崎さんのYouTubeには、トレーニングの様子や地域の行事などが投稿されている。

黒崎さんのYouTubeチャンネル
黒崎さんのYouTubeチャンネル

チャンネルを開設して約10年。その登録者数は600人以上で、最初に投稿した動画の再生は3万回を超えている。

黒崎弘明さん:
人に頼らない!やればできるんだもん。何でもやればできる。運動だろうが、仕事だろうが、なんだろうが、みんなやればできる

何歳になっても挑戦する気持ちを忘れない黒崎さんが動画の投稿を続ける理由は?

黒崎弘明さん:
俺が死んでもYouTubeは残っているから。あとあとのために記録を残す。死んでも記録は残る

そんな記録にこだわる黒崎さんにとって、90歳を迎える2023年は、陸上選手としての「記録」にも期待がかかる年になる。

黒崎弘明さん:
ハンマー投げが一番になれそうだし、砲丸投げも一番、重量投げも一番。3種目は間違いなく、日本一になりそう。円盤とやりが苦手だけど、これも日本一になるように頑張る

陸上とYouTubeどちらの「記録」も残すことを目指して!89歳の二刀流の挑戦はこれからも続く。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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