帝国データバンクによると、鳥取県倉吉市に本社を置く米穀卸の株式会社鳥取県食が、12月11日に鳥取地裁倉吉支部から特別清算開始命令を受けたことが分かりました。
負債総額は、約6億5400万円に上ります。
鳥取県食は、1996年6月に設立された米穀の卸売業者で、6月に解散した鳥取県食糧事業協同組合から営業権を引き継いで事業をスタート。
設立翌年には氷温倉庫を新設し、自社ブランド「氷温米」などを販売、2004年3月期には年売上高約34億2300万円を計上し、県内米穀卸売業者としてはトップクラスの業容を確保していたということです。
しかし近年は、一等米と二等米の価格差が縮まる中、二等米の取扱比率が高かった鳥取県食は利益率が低下。
加えて、県外大手の食品ディスカウント店の進出が相次ぎ、得意先への納入量が減少したほか、価格競争の激化も影響し、2023年9月期の年売上高は約7億円にまで落ち込み、赤字に転落したということです。
倉庫などの設備資金や在庫負担に伴う有利子負債に加え、このところの米価上昇により資金繰りが悪化して支えきれなくなり、2024年11月30日に事業を停止。
当初は私的整理を予定していましたが、2025年8月8日に開催された株主総会の決議により解散し、法的整理を図ることとなりました。
負債総額は2023年9月末時点で約6億5400万円となっています。