世界的デザイナー・ゴルチエ氏に単独インタビュー

ジャンポール・ゴルチエ氏
この記事の画像(10枚)

地球規模の課題となっているサステナビリティーの追求とファッション界をつなぐ鍵は、日本。

アパレル大手・オンワードホールディングスが手がけた商業施設「KASHIYAMA DAIKANYAMA」では、今フランス人デザイナー、ジャンポール・ゴルチエ氏の特別企画展が開催されている。

KASHIYAMA DAIKANYAMA

ゴルチエ氏といえば、マドンナが着けた円すい形ブラジャーなど、前衛的かつ挑戦的なコレクションで時代の寵児とも称される世界的なデザイナー。
2018年には、自身の半生を歌とダンス、パッションで表現したミュージカルを、地元・パリで上演するなど活躍の幅を広げている。

伝統工芸を守り続ける日本こそがヒント

実は、そんなゴルチエ氏の作品作りには、日本の文化が大きく影響を与えているという。

ゴルチエ氏:
これは、着物の帯の布なんです。ここを見てください。帯だけど裏側にしてあります。この模様は本来、内部にあるものなんです。僕はこうやって遊ぶのが好きなんだ。布はほかの何かへと変化していく。成形していくような感覚だよね。

先進国ながら、伝統工芸を守り続ける日本。
ゴルチエ氏は、この発想こそ、持続可能な社会づくりのヒントになると考えていた。

三田友梨佳キャスター :
今、脱プラの動きや環境への配慮も進んでいますが、ファッション界における持続可能性についてはどんな考えをお持ちですか?

ゴルチエ氏:
今回、日本の帯を使ったオートクチュールとして表現しました。実は、デビューからずっと既存のものを新しい形にしてきたのです。新たなものより、こうした過去に培った伝統という素晴らしさを利用すべきです。

さらにゴルチエ氏は、今、服作りにおける素材についても時代の転換期にきているという。

動物の虐待や捕獲の仕方がひどいことを知らなかった

三田友梨佳キャスター :
リアルファーやレザーを使わないということも発表されましたが、そこにはどんな思いがありますか?

ゴルチエ氏:
かつては自分もリアルファーを使っていました。動物の虐待や捕獲の仕方がひどいことだったのを知らなかったんです。だから、わたしはもう使いません。実際、わたしのオートクチュールでは、一見ファーのコートに見えるけど、実はプリントしてファーに見えるように加工してあるんです。

1980年代、性別やジャンルという垣根を越えた作品をいち早く手がけ、ダイバーシティーという切り口でも常に時代を先読み、ファッションで表現してきたゴルチエ氏。
持続可能性・多様性、さまざまな変化が訪れるこれからの時代を、どう生き抜いていくのか。

社会で起きていることを反映しながら作り続ける

三田友梨佳キャスター :
今後の作品作りにおけるビジョンは?

ゴルチエ氏:
今、ファッション界はカオスな時代に入ってきています。環境保護、気候変動など、世界中でさまざまなことが動き、変化しています。その中でファッションというのは、オートクチュールにしろ、プレタポルテにしろ、社会で起きていることを反映しながら作り続けるんです。

三田友梨佳キャスター :
40年以上にわたってファッション業界で活躍を続けているゴルチエさんですが、ファッションというのはコミュニケーションのツールの一つなんだよ、と少年のようなキラキラとした目で話してくださいました。現代の業界全体については、「大企業の大量生産による在庫償却はもってのほか。ファッションも変わるべき時が来ている」と話されたことが印象的でした。

(「Live News α」9月23日放送分)

Live News α
Live News α
メディア
記事 790