コメ不足と価格高騰に歯止めがかからない中、「コメは買ったことがない」などと発言した江藤農水大臣が事実上の更迭となりました。
消費者、そしてコメ農家はどう見たのでしょうか。
「ただいま石破内閣総理大臣に辞表を提出して参りました」(江藤拓前農林水産大臣)
江藤拓農林水産大臣は21日朝、首相官邸で石破総理に辞表を提出し、受理されました。
問題となったのは5月18日のこの発言でした。
「私もコメを買ったことがない、正直言うと。支援者の人がたくさんコメをくださるので。まさに売るほどあります」(江藤前農林水産大臣)
コメ不足や高騰が続いている中、対策にあたる大臣が辞任する、衝撃的な展開になりました。
「江藤大臣の辞任を受けて、コメどころでもある北海道の道民たちは何を思っているのでしょうか」(八木隆太郎フィールドキャスター)
「普通の人と感覚が違うとしか思わなかった。子供が小さいので買うのを控えたりはしていない」(札幌市民)
「なぜ江藤氏が農林水産大臣になったのかと思う」(道外からの観光客)
後任は小泉進次郎元環境大臣です。
「いま私がやらなくてはいけないのはとにかくコメだと、コメ担当大臣だという思いで集中する」(小泉進次郎新農林水産大臣)
5月第4週に発表されたコメの価格は最高値を更新。
2024年の同じ時期の2倍以上となっていて高止まりが続いています。
「(Q:後任は小泉進次郎氏だが?)少しの間だけですよね。参議院選挙が終われば、またガラッと変わるし。適任者がいないんですよね、誰もやりたがらない、後任は」(道外からの観光客)
少しでも安くコメを買いたいと直売所には多くの人が訪れています。
「きょう(江藤氏が)辞めたんでしょう?変わらないのではないか、江藤氏から小泉氏に変わっても」
「何となくみなさん同じなのかなという気持ちも少しある」
「(Q:期待することは?)もちろん安くしてもらいたい。倍以上高くなっているのでできる限り安くしてもらいたい」
「2キロ単位などでしか買えない。しかも最近はあまり買わない、高いというイメージ」(すべて直売所利用客)
主食のコメの高騰…経済的に苦しい人はより厳しい状況に置かれています。
20日に札幌市内で行われた食料品の支援会。
政府から交付された備蓄米を1人あたり2キロ配布しました。
「困っていますね。5キロとかもう下手したら4000円とかするので。(備蓄米を)集めたのなら配った方が良いんじゃないかなと」(支援会利用者)
この食料支援を行う団体の代表です。
コメに関する消費者のいらだちが理解できていない発言だと感じています。
「(江藤前農水相について)正直、非常に残念な発言だったというふうに思っています。きょう、コメを配っていてもイライラしている人がたくさんいたように、コメに対する危機感が皆さん大きいと思う」(ONFUTUREFLIGHT 釜沢剛璽代表)
おにぎりを売りにしている、こちらの居酒屋。
今後のコメ価格も心配しています。
「9月10月には新米は出るのでその時に高値で取引された在庫はどうなるのか。新米も高くなるのが最悪のシナリオだ」(薄野しんせん 川原悟さん)
北海道恵庭市のコメ農家、平野隆晴さん。
80年以上4代にわたってコメを作ってきました。
新しい大臣に望むことは。
「ネコの目政策じゃないか。まじめにやっている人は怒っている。このままだと値段は下がらないのは目に見えている。輸入米をある程度入れるのと、臨機応変に対応できるような」(コメ農家 平野隆晴さん)
主食のコメが高く、買えないという異常事態。
あたらしい大臣のもと、不安なく収穫の秋を迎えられるのでしょうか。