岩手県一関市の公共工事を巡る官製談合事件で、市の元職員と業者側の合わせて2人の控訴審が、5月20日に仙台高等裁判所で始まりました。
検察側は2人の控訴棄却を求め、裁判は即日結審しました。

官製談合防止法違反などの罪に問われているのは、一関市の元職員・金今進被告(61)です。

また公契約関係競売入札妨害の罪に問われているのは、市内に本社があるフジテック岩手の元代表取締役・千葉登美夫被告(73)です。

金今被告は、一関市都市整備課の職員だった2022年度から2023年度にかけて、市が発注した工事の入札情報を業者に漏らしたとされています。

一方、千葉被告は金今被告の情報をもとに会社の元役員でもある娘と一緒に工事を不正に落札したとされています。

2024年12月の一審の盛岡地裁は、金今被告に懲役1年6カ月・執行猶予3年、千葉被告に懲役10カ月・執行猶予3年の判決を言い渡しましたが、2人はこれを不服とし控訴していました。

5月20日の仙台高裁での初公判で、金今被告側は一審の判決について「量刑は不当であり罰金刑が相当だ」などと主張しました。

千葉被告側は「一審判決は談合グループの実態を考慮しておらず量刑は不当だ」などと指摘したうえで「十分な社会的制裁を受けている」として情状の余地があると訴えました。

一方、検察側は「控訴には理由がない」として棄却を求めました。

裁判は即日結審し判決は6月10日に言い渡されます。

岩手めんこいテレビ
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