静岡県御殿場市内の住宅に侵入し、女性用下着を盗んだ罪などで起訴された元警察官の裁判が5月20日に結審し、検察は懲役2年6カ月を求刑した。
住居侵入及び窃盗の罪で起訴されているのは函南町に住む静岡県警の元巡査長の男(30)で、2022年3月1日、御殿場市にある住宅の1階ベランダに侵入し、干してあった女性用下着4点を盗んだほか、別の住宅の敷地内にも侵入し女性用下着4点を盗んだ罪に問われている。
5月20日の裁判ではまず被告人質問が行われ、男は自らの性欲を満たすため盗んだ下着を使って自慰行為に及んでいたことを明らかにした上で、理由について「妻は仕事で忙しく、外で肉体関係を持つのも難しかったため」と述べた。
弁護側から「妻とは話をしたのか?」と尋ねられると「仕事が忙しく、余計に疲弊させてしまうと思ったから」と口にした男。
その上で、検察側から犯行に及んだ理由を問われると「警察官として事件の受理をする中で大小がわかるようになり、軽微な犯罪であれば被害者の傷も大きくないと思った。軽微な犯罪であれば大丈夫と感覚が麻痺していた」と話したため、検察は「映像(アダルトビデオ)を見るなどはしなかったのか?」と再び尋ね、男は「見飽きるほど見ました」と答えた。
被告人質問を終えると続いて検察は「法を守るべき警察官が勤務中に得た情報を利用して犯行に及んだことは警察官としてあるまじく、被害者に大きな恐怖を与えた」として懲役2年6カ月を求刑。
これに対し、弁護側は被害者との示談が成立していることや警察官を辞職するなど社会的制裁を受けていることを理由に寛大な処分を求めた。
判決は6月4日に言い渡される。