にぎわいを取り戻そうと福島県富岡町で取り組まれているワインづくり。ワイナリーの魅力を伝える新たな拠点が、5月17日グランドオープンを迎える。

■グランドオープンを迎えるワイナリー
富岡町のJR富岡駅東側にある「とみおかワイナリー」。4月6日にプレオープンし、町で収穫したブドウを使用したワインの販売などが始まった。
そして、いよいよ17日はグランドオープン!バーベキューも楽しめる広場やガーデンキッチンがお披露目される。
とみおかワイナリーの遠藤秀文社長は「何回も来てみたいなと思えるような、誰かを連れて来たいなと思えるような、自然と人が集まるようなそういう求心力を持てるような場所にしたいと思っています」と話す。

■ブドウの木は震災前の町の人口と同じ数
ワイナリーを立ち上げた遠藤さんは、津波で自宅を流され、原発事故による避難も経験。大きく変わった町ににぎわいを取り戻そうと、9年前から有志で集まった町民と一緒に始めたのがワインづくりだ。
今年3月までに植えたブドウの木は、震災前の町の人口と同じ数になった。遠藤さんは「全てブドウの木で埋め尽くしたら、偶然にも1万6千本になっていた。何かこの土地から、この地域の未来を託されているのかなっという風な思いにはなりました」と話す。

■父の思いも引き継ぐ
2014年に亡くなった遠藤さんの父・勝也さんは震災当時の富岡町長。ワインづくりは父の思いも引き継いでいる。遠藤さんは「(父が)町民を命をかけて守っている姿、それを間近で見ていましたので、今度は我々が次の世代にどのような形でバトンを託せるか、といった大事な役割を担わなきゃなっていう風には思っています」と話す。

今年の秋からは自前の醸造所でのワインづくりに乗り出し、2026年の春に1万本以上の製造を目指している。

福島テレビ
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