迅速な通報が人命救助につながりました。新潟市南区で川に流されていた7歳の男児を発見し、警察に通報した70歳の男性に感謝状が贈られました。

5月16日、新潟南警察署で感謝状を手渡されたのは笠井敦さん(70)です。

【笠井敦さん】
「私もパニック状態だった。でも、なんとかしなければダメだと」

笠井さんが慌てる事態となったのは、5月1日午後2時半ごろ。

【記者リポート】
「新潟市南区にある中ノ口川。笠井さんが散歩をしていたところ、上流から下流のほうへ流されている7歳の男の子を発見しました」

【笠井敦さん】
「動くものをじっと見ていたら、そこから『じいじ!』と聞こえた。これは子どもが流されていると」

その後、笠井さんはすぐに「川に子どもが浮いている」と警察に通報しました。

【笠井敦さん】
「電話で『子どもが沈むと悪いから、目視しながらそのまま歩いてほしい』ということだった」

これは実際に男の子が救助される瞬間の映像です。画面奥から流れてくる男の子。

【笠井敦さん】
「(子どもが)あお向けになって、じっと流れていく」

水深170cmほどの川の近くには、笠井さんから通報を受けた警察官が待機。子どもが岸壁に近づいた瞬間、救命胴衣を着た警察官が川に飛び込みます。

通報から約7分後、警察官に抱えられ、男の子は無事に救助されました。

【笠井敦さん】
「引き上げられたときに子どもが泣いた。そのとき助かったと、一番よかった。お母さんは涙を流してありがとうございましたと。大変喜んでいた」

笠井さんの迅速かつ的確な通報により救助された男の子。病院に運ばれましたが、命に別条はありませんでした。

暑くなるこれからの時期、気をつけなければならない海や川での事故。

県警によりますと、去年川や海での水難事故は42件発生。そのうち10人が中学生以下の子どもだったということです。

【新潟南署 地域課 中川智之 課長】
「川遊びや海に遊びに行く家庭も多くなると思うが、子どもに気をつけて、事故がないよう注意してもらえれば」

警察は万が一、人が流されている場面に遭遇しても慌てて無理に飛び込まず、警察や消防に通報するよう呼びかけています。

NST新潟総合テレビ
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