1926年に始まった昭和の時代、今年はちょうど100年にあたります。特集は注目の「昭和レトロスポット」です。昔ながらの街並みが残る長野県上田市は、観光協会もPRに力を入れています。今はレトロなスナックが気軽に楽しめるイベントも開催しています。

■人気観光地の「昭和レトロ」な街並み

戦国武将・真田幸村で有名な上田市。インバンド客などからも人気の観光地です。

最近注目されているのが「昭和レトロ」な街並み。

(アナウンサー)
「上田市の玄関口・上田駅から徒歩数分のエリアでは、歩くだけで昭和の雰囲気を感じることができます」

市の観光協会も、4年前から「ニュー・ウエダ」と銘打ち、レトロな街並みや店をPRしています。

「海野町商店街」も、そんなスポットの一つ。


■1個100円の「じまんやき」

(アナウンサー)
「こちらが、上田で有名なじまんやき、富士アイス」

昭和10年・1935年創業の「富士アイス」。連日、行列ができる人気店です。

名物は上田のソウルフード「じまんやき」。ここ数年で値上げはしましたが、それでも1個100円。「昭和価格」のままです。

(アナウンサー)
「どこか懐かしい、優しいあんこの味。それをふわっと包み込む、カリっとした食感もある生地。おいしいですね」


■「掘り出し物!」レコード売る店も

さらに散策すると、カルチャーショップ「メロディーグリーン」を発見。

(アナウンサー)
「懐かしい雰囲気で、個性的な空気感が漂っています。お店の中はさらにたくさんの古着と雑貨が奥まで続いていますね」


今ブームの古着などレトロな商品が並ぶ中、人気なのがレコードやCDです。

(アナウンサー)
「いいですね、マイケルジャクソン、『BAD』」

昭和から平成まで様々な曲が並びます。数が多すぎて店主も何があるか把握できていなんだとか。

加藤千砂人オーナー:
「次々本能に任せて、あっちの棚こっちの棚見ていかれるのが、ここのやり方。『こんなのありました』みたいな感じで(客が)持ってくる。こっちも『えっ!こんなのあったのうちの店に』ありえないでしょ普通。『ラッキーだったね』って、それでお客さん満足されていく」


この日も「掘り出し物」を見つけて喜ぶ買い物客の姿がありました。

長野市から:
「個人の趣味なんですけど、あんまり長野のCD屋さんだと売っていなくて。実物あってびっくりして、掘り出し物ですね、これは」

レトロな雰囲気に浸りながら、宝探し気分が楽しめます。


■「昭和に迷い込んだような」歓楽街

日が落ち、商店街からわき道に入ると、上田一の歓楽街「袋町」があります。

(アナウンサー)
「看板に明かりがともって、昭和の時代に迷い込んだかのような通りですね」

多くの居酒屋やスナックが軒を連ねます。

■スナックをお手頃に楽しめる企画も

このノスタルジックな雰囲気をPRしようと、この春から市の観光協会が新たな企画を始めました。「ナイトパスポート」です。

パスポート型の冊子にはスナック10店が載っていて、一冊500円。

スナックで示すと通常1時間のセット料金3000円から4000円のところを2000円で楽しめます。


■ゴルフ好きのマスターが営むスナック

早速、冊子片手にスナックへ。

訪れたのは「アプローチ」。

山口さん夫婦が営む、創業45年の老舗です。


まずは、パスポートにスタンプを押してもらい…。

「上田の夜に、乾杯!」

常連客とともに、スナック体験スタート。

マスター・一郎さん(74):
「1週間に半分(店に来る)。ナンバーワンです」

店名「アプローチ」は一郎さんのゴルフ好きから取りました。一郎さんは県のアマチュアゴルフ大会で何度も優勝経験を持つレジェンドゴルファーです。

マスター・一郎さん:
「優勝した時は、みんな最終日に来てくれる、娘連れて」

ママ・日出子さん:
「かっこいいですよ」

マスター・一郎さん:
「弱ったな…出すものないんだけどな…(笑)」


店で人気なのが「ママ」の日出子さんの手作り料理。

この日のメインはココナッツカレーでした。

(アナウンサー)
「おいしい!ちょっとだけピリ辛で、ちょっとだけ味が濃い目なので、お酒が進んじゃいそうですね」


♪歌「俺ら東京さ行ぐだ」:
「は~、テレビもねえ、ラジオもねえ、車もそれほど走ってねえ…」

パスポートを使えば1ドリンクとカラオケ2曲もセットで楽しめます。

(アナウンサー)
「お話を楽しみながら、ごはんを楽しんで、飲み物を楽しんでってしていたら、あっという間だったな、という感じがしたので…」

マスター・一郎さん:
「飲んでいると時間が早いよね。あっという間ですよ」

アナウンサー:
「ご夫婦に会いに来てほしいですよね」

マスター・一郎さん:
「会いたい人いるのかな(笑)」

マスター・一郎さん:
「常連客さんと知り合ったり、いろんなことをおしゃべりして、カラオケ歌ったり狭い店ですから、皆友達になれるからね。それで楽しく飲んでもらえたら最高ですよ」


■ママ「心のよりどころにして」

さて、もう一軒ハシゴして向かったのは「積木」。

アナウンサー:
「カウンターの上、すごいですね!屋根瓦ですか」

ママ・須江和子さん:
「昔から、私がやった時からなんですよ」

創業46年。「ママ」の須江和子さんは長く袋町を見守ってきました。


乾杯:
「いらっしゃい!」

一緒にスナック体験を楽しむこちらの女性。「ナイトパスポート」でスナック巡りを楽しんでいてすでに9軒目だといいます。

客:
「ママを中心に、いろんな世代・職業の人とかが集まって、一期一会の出会いみたいな。会話とか、歌を盛り上げ合ったりとか、そういう交流が生まれるところがすごく楽しい」

ママ・須江和子さん:
「昔から本当に一生懸命やっていらっしゃるお店、お客さまと関わりを持ってやっているお店がたくさんある。それが、私は一番(の魅力)かなと思っているんです。心のよりどころにしていただければいいかなと思います」


信州上田観光協会・保屋野琴美さん:
「女性一人でも入りやすいスナックもたくさんありますし、若い子たちも気軽に足を運んで行けるお店がたくさんありましたので、ナイトパスポートをきっかけに、今までちょっとハードルの高かったスナックに足を運んでいただけたらいい」


ナイトパスポートは9月末まで利用でき、集めたスタンプ数によってオリジナルグッズや割引などの特典があります。

昼も…夜も楽しめる上田の昭和レトロスポット。「タイムスリップ」の旅はいかがですか?

長野放送
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