5月18日(日)、“春の女王”の座をかけた戦い、第20回 ヴィクトリアマイル・GⅠが行われる。

これまでに、9冠牝馬アーモンドアイや白毛のアイドルホース・ソダシといった名牝が勝利を挙げた一方で、“波乱”が多いことでも知られる。
2014年1着、ヴィルシーナは11番人気。そして、2024年の1着はテンハッピーローズで、単勝オッズ208.8倍、3連単の払戻し額は90万円超えの波乱決着となった。

GⅠ馬2頭が3度目の直接対決!
今回の注目は、アスコリピチェーノとステレンボッシュのGⅠ馬2頭による3度目の直接対決だ。この2頭は、これまでGⅠの舞台で2戦し、いずれもその差はわずか。
初対戦は、2023年の阪神ジュベナイルフィリーズ・GⅠ。ステレンボッシュをクビ差下したアスコリピチェーノが2歳女王となった。

2回目の対戦は、翌年の桜花賞・GⅠ。ここで勝利したのは、2歳女王の追撃を3/4馬身差で凌いだステレンボッシュ。逆転で桜の女王の座に輝いた。

アスコリピチェーノは、ステレンボッシュとの対戦後、マイル戦線で活躍。
2024年の秋には、オーストラリアのレース(ゴールデンイーグル 12着)に出走し、海外遠征を初経験。続く2月のサウジアラビアでは、海外初勝利(1351ターフスプリント・G2)を果たした。
黒岩陽一調教師(44)は、海外経験での成長を語った。

――海外2戦(オーストラリア→サウジアラビア)を経て、成長した部分は?
いろんな環境でもしっかり適応できるようになった。2回目の海外遠征の方が、確実に適応能力がついてきていると感じた。海外での経験はしっかり糧となっていると思います。

――意気込み
久しぶりに日本での走りをお見せすることになりますが、いい状態でお見せできると思います。しっかりと勝ちきって、この先の大きなレースに臨みたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
対するステレンボッシュは、桜花賞から牝馬3冠を目指し、残る2戦に出走。オークス2着→秋華賞3着と、同世代ではトップレベルであることを示した。
アスコリピチェーノと同じく、海外遠征も経験(香港ヴァーズ・G1 3着)。
2025年の初戦となった大阪杯では13着に敗れ、キャリア初となる “馬券圏外”となった。今回は、巻き返しを誓う一戦となる。
管理する国枝栄調教師(70)は、前走の敗因に言及しつつも、引き続きステレンボッシュの状態の良さを語った。

――前走(大阪杯)の敗因は?
調整・レースにいたるまでの中では、これという問題点はなかったですけど、競馬がもうひとつだった。何が悪かったのかというのはある。ちょっと分からないです。

――前走からの変化
あの時もよかったですし、今回もすごくいいです。満足のできる出来だと思います。
アスコリピチェーノvsステレンボッシュ。3度目の直接対決、女王の座は譲れない。
連勝の勢いでGⅠ初挑戦Vへ
この2強に割って入る有力候補がアドマイヤマツリとシランケドだ。

まずは、連勝中のアドマイヤマツリ。
新馬戦こそ7着だったが、その後は7戦4勝2着3回と、まさに堅実。前走の福島牝馬S・GⅢでは、重賞初挑戦でいきなり1番人気を背負うも、危なげなく勝利を収めた。

もう1頭は、3連勝中と勢いに乗るシランケド。
こちらも新馬戦こそ9着に敗れるも、その後は馬券圏内を外していない。連勝の中で挑んだ前走の中山牝馬Sで重賞初制覇を果たした。波に乗る2頭は、GⅠ初挑戦で女王の座を手にすることができるか。
シルバーコレクター卒業へ!

これまで重賞の舞台で5度の2着を経験しているボンドガールは、9度目の重賞挑戦となる。
今回は、唯一の勝利をあげた新馬戦と同じ東京1600m。悲願の勝利を挙げ、“シルバーコレクター”卒業となるか。

そして、鞍上は引き続きレジェンド武豊騎手(56)。
武豊騎手は、前々週の天皇賞(春)・GⅠで3着、前週のNHKマイルC・GⅠでは2着に入り、GⅠの舞台で勢いに乗る。また、デビューから39年連続の重賞制覇という偉業にも期待がかかる。
今回も荒れるか!?
2024年、14番人気のテンハッピーローズが勝利し、3連単の払戻しは90万円超えとなった。また、当日のWIN5(対象の5レース、すべての1着馬を予想する馬券)は、的中数1票で払戻し額はなんと4億4千万円超えという大波乱を演出した。
過去19回、3連単の払戻し額が1万円を切ったのは、2011年と2020年の2回のみ。3連単の平均配当額は、229万円超え(過去10年)で、ヴィクトリアマイルは比較的に荒れる傾向が強いとも言える。
また、2015年には、5番人気→12番人気→18番人気の決着で、3連単の払戻し額は驚愕の2070万5810円。これはJRA・GⅠ史上最高額の払戻し記録となっている。
夢が膨らむ一戦であることに間違いはない。
そして、5月16日(金)、注目の枠順が確定。3度目の直接対決を迎えるアスコリピチェーノは8枠17番、ステレンボッシュは1枠2番、悲願を期すボンドガールは5枠10番からのスタートとなった。
第20回 ヴィクトリアマイル・GI
東京競馬場・芝1600m
1枠1番 クリスマスパレード(牝4・石川 裕紀人)
1枠2番 ステレンボッシュ(牝4・戸崎 圭太)
2枠3番 アルジーヌ(牝5・D.レーン)
2枠4番 サフィラ(牝4・松山 弘平)
3枠5番 ラヴェル(牝5・津村 明秀)
3枠6番 ミアネーロ(牝4・M.ディー)
4枠7番 ワイドラトゥール(牝4・北村 友一)
4枠8番 シンリョクカ(牝5・木幡 初也)
5枠9番 アドマイヤマツリ(牝4・田辺 裕信)
5枠10番 ボンドガール(牝4・武 豊)
6枠11番 シングザットソング(牝5・斎藤 新)
6枠12番 シランケド(牝5・M.デムーロ)
7枠13番 ビヨンドザヴァレー(牝5・菱田 裕二)
7枠14番 マサノカナリア(牝4・横山 典弘)
7枠15番 ソーダズリング(牝5・坂井 瑠星)
8枠16番 クイーンズウォーク(牝4・川田 将雅)
8枠17番 アスコリピチェーノ(牝4・C.ルメール)
8枠18番 アリスヴェリテ(牝5・池添 謙一)
ヴィクトリアマイルは、5月18日(日)15時40分に発走する。
みんなのKEIBA ヴィクトリアマイル・GⅠ
5月18日(日)15時から生放送
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/