災害の発生時などでたびたび問題になっているSNS上の偽情報や誤情報。総務省が実施した調査では、4人に1人がこうした情報を拡散している実態が明らかになりました。
■SNS上の偽・誤情報…「出ている情報信じちゃう」
【齋藤正昂アナウンサー】
「日々様々な情報が行き交う現代社会。生活している中でフェイク情報に触れたことがあるという人も多いのではないでしょうか」
【街の人】
「(Q.フェイク情報を見たことは?)X(旧ツイッター)とか見ていたら結構ある」
【街の人】
「政治的なものが多い。『この人こんなこと言っている』と。結局デマだったりする」
【街の人】
「有名人が何かやらかしたみたいな情報が拡散されていたりするけど本当は違う」
総務省が5月13日に公表した情報通信サービスなどを適切に活用するための能力、ICTリテラシーに関する調査結果過去に偽情報や誤った情報を見聞きした人に、その内容の真偽を尋ねると、「正しい情報だと思う」「おそらく正しい情報だと思う」と回答した人があわせて47.7%と、半数近くにのぼりました。
【街の人】
「(Q.情報の真偽は確認する?)気になったらそれが本当なのかどうか検索するが、普段はそこまでしない」
【街の人】
「そこまで一つのことを奥まで探って、本当か嘘か確かめはしない。さらっと出ている情報を信じちゃう」
■真偽確かめず…4人に1人が偽・誤情報を拡散
こうした偽・誤情報の発信が問題となってきたのは災害発生時です。
去年1月の能登半島地震の際にはXに「今回の地震は人工地震である」という誤情報が約10万件、偽の救助要請も約2万1000件投稿されていたと言います。
その後は、国も注意を呼びかける事態に。
長岡造形大学で情報リテラシーに関する講師を務める横田さんは、生成AIの登場で今後さらにこうした偽・誤情報は増えると警鐘を鳴らします。
【長岡造形大学 情報リテラシー論講師 横田秀琳さん】
「最近であれば、AIによって画像を生成することができるので、こんなところで火事が起きているとか、ビルが倒壊しているとかも作れる。そういうような発信で問題になったというのはたくさんある。増えていく一方だと思う」
生成AIなどを使えば簡単に作れてしまう偽の動画や画像。
総務省の調査では、こうした偽・誤情報に接した人の4人に1人にあたる25.5%が、「家族や友人など周囲に伝えた」「不特定多数の第三者に発信した」と回答。多くの人が真偽を確かめずに拡散している実態が明らかとなりました。
【街の人】
「(Q.偽・誤情報を拡散したことは?)友達に共有したことがある。会話するため」
【街の人】
「(Q.偽・誤情報を拡散したことは?)ある。結果的に嘘だったっていうところ、リアルタイムではやっぱり分からない」
■「友達にも伝えてあげなきゃ」悪気なく拡散するケース多く
誤った情報の拡散は悪気がないケースも多いと横田さんは指摘します。
【長岡造形大学 情報リテラシー論講師 横田秀琳さん】
「善意だと思って、人にも伝えてあげなきゃ、いいこと聞いたから友達にも伝えてあげなきゃと発信してしまうというのが一番の大きな要因。悪気はないということ」
だからこそ受け取った情報については拡散する前に、一度立ち止まることが重要となります。
【長岡造形大学 情報リテラシー論講師 横田秀琳さん】
「会ったこともないし、相手が何者かも分からないという情報をどのくらい信じるか。少し疑ってみるということも大事かなと思う」
国もこうした偽・誤情報の発信・拡散を問題視。今後、情報リテラシーに関する教育などを強化していく方針です。