報道陣のカメラに気づくと、とっさに顔を隠し、髪を揺らしながら歩く24歳の女。
マッチングアプリで知り合った男性をぼったくりバーに誘い込むという犯行は、視覚障害者をも標的にしていました。
視覚障害のある男性:
今思えば最悪な人だったなと。“極めて悪質”だと思います。
東京都ぼったくり防止条例違反の疑いで逮捕・送検されたのは、飲食店従業員の菅原梨那容疑者(24)。
同じく飲食店従業員の佐古壮汰容疑者(22)、さらに、柴田小太郎容疑者(21)の3人です。
菅原容疑者らは2025年1月、マッチングアプリを通じて知り合った男性をバーに誘い、飲食代など約190万円を不当に取り立てた疑いが持たれています。
FNNは菅原容疑者からぼったくり被害を受けたと訴える人物から話を聞くことができました。
20代のリョウスケさん(仮名)です。
被害を訴えるリョウスケさん(仮名):
最初はいい人だなぁと思って…。視覚障害にも理解ある、いい女性だなと思ったんですけど。
そう語る足元にあるのは、折り畳まれたつえ。
視覚障害があるというリョウスケさんは、障害者や障害者に理解のある人が集うマッチングアプリで菅原容疑者と出会ったといいます。
この時、本名の梨那ではなく「りさ」と名乗っていた菅原容疑者。
リョウスケさんは、「その女性(菅原容疑者)は、特に障害がある感じではなかったですね。最初女性の方からいいねがきまして、僕もなんとなくいいなと思って」と、当時抱いた印象を話します。
やがて、リョウスケさんが休みの日に菅原容疑者側からの誘いで渋谷で会うこととなったといいます。
被害を訴えるリョウスケさん(仮名):
女性(菅原容疑者)が気になっているアミューズメントバーって言ってたと思いますけど、連れていかれたって感じです。
そのバーで注文したのは、5000円の飲み放題コースでした。
ところが…。
被害を訴えるリョウスケさん(仮名):
店員さんが、これ使って遊んでくださいってトランプを持ってきてくれたんですよ。ゲームをして負けた方がお酒を一気飲みするって言うので、それが“飲み放題の対象外”だったメニューみたいらしくて…。
ゲームを繰り返すうちに、気が付けばショットの酒を2人で100杯ほどは飲んでいたと振り返るリョウスケさん。
飲み放題の対象外だったと知らされ、請求額は68万円にも及びました。
結局、リョウスケさんと菅原容疑者、そして従業員の3人でATMに向かい、金額は折半で払う流れになったといいます。
しかし…。
被害を訴えるリョウスケさん(仮名):
女性(菅原容疑者)は一応払うフリ、カードで支払おうとしてもダメで、私のカードは夜9時以降使えないから、今代わりに払ってもらえますか?っていう感じで…。
その数日後には音信不通になったといいます。
リョウスケさんは今も許せない思いです。
被害を訴えるリョウスケさん(仮名):
あえて障害者が多くアクセスするアプリを使う。狙うっていう部分も極めて悪質だと思うし、人のそういう気持ちにつけ込む部分は許せない。
警視庁の調べに対し、菅原容疑者ら3人は、今回の逮捕容疑について認める趣旨の供述をしているということです。