社会保障改革に関する自民・公明両党と日本維新の会の3党協議が15日に開かれたが、「OTC類似薬」の保険適用除外を巡る議論に進展がないことなどから、維新側は不満を募らせている。
維新は、保険料負担を減らすため、市販薬と成分が近いOTC類似薬を健康保険の適用対象から除外するべきだと主張している。
15日の協議では、厚労省が、保険適用の場合の自己負担額が、薬局で直接購入する支払い額より軽減されているケースが多いと説明したのに対し、維新は「その差額は、現役世代が社会保険料で負担している」と指摘。
協議後の取材に、維新の岩谷幹事長は、「適用を外せる薬はないのか聞いたら、(自民からは)『今、探している』という答えだった」と明かし、「次回、具体的なものが出てこなかったら、やる気がないと認定し、OTC類似薬の議論は打ち切る」と述べた。
また、公明は、胃がん抑制のためのピロリ菌除去など「重症化予防」による医療費削減策を示したが、岩谷氏は「予防医療的な話。過去の話は立派だが、これからの話をする場だ。新しい提案は聞いても出てこなかった」と不満を示した。
一方、維新は「地域フォーミュラリー」の全国展開を新たに提案。
「地域フォーミュラリー」は、地域単位で処方推奨薬リストを定めるなど、医療・処方の標準化と効率化を図る取り組みで、維新は、3大生活習慣病の治療薬への導入により、年間3100億円の医療費削減になると主張している。
次回の3党協議で議題とする。