宮城県が主導した4病院再編構想。5月9日、東北労災病院の富谷市移転が白紙となり、構想は一区切りを迎えたかのように見えましたが、村井知事と仙台市の郡市長の間には大きな隔たりが残っているようです。それぞれの主張とは?
宮城県 村井知事
「仙台市長が分かっておられないかなと思うのは、仙台市・医療圏ではなく、仙台医療圏の中で、どう病院を配置するかということ。仙台医療圏の中で適正な配置をしなければならないと考えている」
村井知事が、5月14日の定例会見で、仙台市の郡市長を名指ししたうえで、“分かっていない”と発言しました。一体、何があったのでしょうか。
仙台市青葉区にある東北労災病院が、経営環境の悪化を理由に富谷市への移転を断念し現地存続することで、一区切りを迎えた県の4病院再編構想。
しかし、富谷市が移転白紙から間髪を入れずに、仙台医療圏の病院を対象に新たな病院を誘致するため公募することを表明、この動きを県が後押しする姿勢を見せたことから、仙台市の郡市長が“待った”をかけたのです。
仙台市 郡市長
「仙台市は仙台医療圏の人口の7割を有している。これから高齢化率が高くなると、周辺のほかの市町村よりもさらに救急需要が増していくと想定される。県としての真摯な立場での回答をいただかないと、また同じ問題が出てくる」
これに対し村井知事は。
宮城県 村井知事
「仙台市内でこれだけ病院が集中していると患者の取り合いになっている。今は高齢者の数が増えているから、病床が必要だとおっしゃるかもしれませんが、今後15年、20年すると一気に病院経営が悪化する。その前にしっかりと手を打って、仙台医療圏の中で、病院を減らさないようにするためにはどうすればいいかを考えることが非常に重要」