何もない空間に手で触れた感覚を作り出す。NTTの新たな技術とは。
13日にNTTが公開したのは、何もない空間にさまざまな感触を生み出す装置。
その名も「超音波触感シンセサイザ」です。
実際に体験したところ、モニターに白い玉が映ったときに、何もない空間で手をかざしている記者の手につるんとした感触が伝わるといいます。
黄色はさらさらとしていて、赤に変わると今度はざらっと粗い感じが伝わってくるといいます。
これらは、超音波を使った新技術によるものです。
超音波を集めた焦点を振動させて皮膚に刺激を与えると、感触はあるものの、その力は弱く。
一方、回転させながら刺激を与えると刺激される範囲が広がるなど、超音波の感じられる力が20倍程度にまで増強されるということを発見しました。
この結果を活用して作られた今回の装置「超音波触感シンセサイザ」。
たくさん並んだ黒い部分から周波数の強さや動きを変えた超音波を出すことで、さまざまな感触の再現を実現しました。
特別な機械を体に装着する必要がないため、遠隔医療やゲームなどへの応用を目指すとしています。
13日に公開された最新技術は他にもあります。
がやがやとした騒がしい環境でも、その人の声だけを抽出し聞き取りやすい音声にするマイク。
これは、生成AI(人工知能)と最先端の音声強調技術を活用したシステム「SpeakerBeam」です。
事前に声を登録するだけで、雑踏の中や複数の人が同時に話す中でも利用できるため、今後、電話での通話や補聴器などでの活用が期待されています。
テクノロジーの力で生活をより便利に、より楽しく。
NTTの挑戦は続きます。