アメリカの関税措置など、保護主義の動きの強まりが懸念される中、来日している世界貿易機関(WTO)の事務局長が13日、岩屋外相と共同記者会見を行い、自由貿易の重要性を強調した。
石破首相や加藤財務相、武藤経産相らと相次いで会談したオコンジョイウェアラWTO事務局長は、岩屋外相とともに記者会見に臨んだ。
岩屋外相は、「国際貿易を巡る緊張が急速に高まっているからこそ、WTO体制は、いっそう重要になってきている」などと述べた。
オコンジョイウェアラWTO事務局長は、「公平な競争環境を確保することや不公正な貿易慣行に対処していくことの重要性について合意した」などと説明した。
発表された共同文書によると、日本側は「現在の貿易の混乱が、世界経済や多角的貿易体制全体に大きな影響を与え得る」として、全ての加盟国が参加できるような形でWTO改革を推進するよう呼びかけた。
また、一連の会談を通じて、「多角的貿易体制の価値は揺るぎない」との見解を共有し、緊密に協力していくことを再確認した。