5月11日(日)、東京競馬場でNHKマイルカップ・GⅠ(以下、「NHKマイルC」)が行われる。
3歳マイル王決定戦にして、東京競馬場5週連続GⅠ開催の開幕戦となる。
唯一のGⅠ馬 アドマイヤズーム(牡3)

出走馬の中で唯一のGⅠ馬がアドマイヤズーム。
2024年12月の朝日杯FS・GⅠで2着に2馬身半差をつけて勝利を飾った。その2着馬が、4月の皐月賞・GⅠを制したミュージアムマイル(牡3)であることから、レベルの高さが窺える。
デビュー以来、芝1600mでの出走を続けており、慣れた距離でGⅠ2勝目を目指す。
アドマイヤズームを管理する友道康夫調教師(61)は、歴代最多タイとなるNHKマイルC3勝目を狙う。

――調教が終わった段階での評価は
調教が終わったあとの上がり運動も見ましたが、すごく落ち着いてリラックスしていて、良い感じで競馬にいけると思います。
――前走で輸送を経験して気づいたこと
元々テンションが高い馬ですけど、こちらが思っている以上に落ち着いていけたと思っています。今回も輸送については問題ないと思います。

また、鞍上の川田将雅騎手(39)には、2024年のジャンタルマンタルに続く、NHKマイルC制覇がかかる。

――ニュージーランドT後について
返し馬の段階でもっと良くなるのは次だなと感じた。レース後の雰囲気からしても、次は良いねという話を先生やスタッフともしていたので。その後も順調にきていると聞いているので、良くなっていると思います。
末脚光るイミグラントソング(牡3)

その王者アドマイヤズーム最大のライバルとなるのが、イミグラントソング。
前走、4月のニュージーランドT・GⅡでは、直線で先に抜け出していた1番人気のアドマイヤズームを鮮やかに差し切り、重賞初制覇。
デビュー戦以外の4戦は、全て上がり3ハロンがメンバー最速。自慢の末脚を生かしてGⅠ初制覇を目指す。

辻哲英調教師:
――調教を行ったルメール騎手の感想
乗りやすく、直線もスムーズに加速して、最後も余力十分でしたということだったので、すごい馬でチャンスがあるのではないかとおっしゃってくれました。
――勝てば厩舎を開業して4年で初GⅠ制覇となるが
そのようなチャンスがあるまでチャレンジできるというのはすごく光栄だと思いますし、なかなか巡ってこないと思うので、チャンスを掴めればと思っています。

人馬共にGⅠ初制覇へ ランスオブカオス(牡3)

前走、4月のチャーチルダウンズC・GⅢで重賞初制覇を果たしたばかりのランスオブカオス。
勢いそのままにGⅠでも結果を残せるか。
デビューから4戦連続でコンビを組む吉村誠之助騎手(19)には、歴史的大偉業の期待がかかる。
レース当日は19歳4カ月8日だが、もし勝利すれば、1988年に武豊騎手が記録した19歳7カ月23日を上回り、史上最年少JRA・GⅠ勝利記録更新となる。
デビュー2年目でGⅠジョッキーの称号を手にし、“武豊超え”ができるか。

――継続騎乗だがどのような思いを持っているか
新馬戦から継続で騎乗させてくださっているので、オーナーや調教師さん、厩舎サイドに本当に感謝しています。
まだ僕しか手綱を取ったことがなく、この馬のことは僕が一番理解していると思うので、自信をもって臨めると思います。
――最年少でのGⅠ制覇について
特に意識している部分はないです。とにかく最善の結果が得られればというところです。
短期免許取得騎手が2025年GⅠを席巻
2025年のGⅠは、大阪杯で横山和生騎手が勝利した以外、全てのレースで短期免許取得中の外国人騎手が勝利している。
今週騎乗する短期免許取得騎手は、サトノカルナバルのD.レーン騎手(31)と、チェルビアットのM.ディー騎手(29)の2人。
今回も旋風を巻き起こすか。
牝馬制覇へ!“桜花賞組”の挑戦
過去10年間において、同年の桜花賞・GⅠに出走した“桜花賞組”は、このレースで2勝、2着3回と好成績を残している。
今回は4着のマピュース、6着のチェルビアット、8着のヴーレヴー、10着のショウナンザナドゥの4頭が出走予定。
また、牝馬が勝利すれば、2017年アエロリット以来8年ぶり6頭目となる。
(牝馬は上記4頭以外に、コートアリシアンとティラトーレが出走予定。)
第30回 NHKマイルC(GI)
東京競馬場・芝1600m
1枠1番 モンドデラモーレ(戸崎圭太)
1枠2番 ショウナンザナドゥ(池添謙一)
2枠3番 チェルビアット(M.ディー)
2枠4番 ヤンキーバローズ(岩田望来)
3枠5番 ランスオブカオス(吉村誠之助)
3枠6番 イミグラントソング(C.ルメール)
4枠7番 トータルクラリティ(北村友一)
4枠8番 アドマイヤズーム(川田将雅)
5枠9番 マイネルチケット(横山武史)
5枠10番 マジックサンズ(武豊)
6枠11番 パンジャタワー(松山弘平)
6枠12番 マピュース(田辺裕信)
7枠13番 ミニトランザット(鮫島克駿)
7枠14番 ティラトーレ(木幡巧也)
7枠15番 アルテヴェローチェ(佐々木大輔)
8枠16番 サトノカルナバル(D.レーン)
8枠17番 ヴーレヴー(浜中俊)
8枠18番 コートアリシアン(菅原明良)
NHKマイルCは5月11日(日)15時40分に発走する。
みんなのKEIBA NHKマイルC・GⅠ
5月11日(日)15時から生放送
https://www.fujitv.co.jp/sports/keiba/