どのスポーツにおいても欠かすことのできないのが「審判」です。今回、高校生がバレーボールの公式戦で審判を務める取り組みが始まりました。

4月行われた、県高校バレー3大大会の一つ国民スポーツ大会予選。大会前の審判打ち合わせに参加しているこの2人。実は選手と同じ高校生。今回、新たな取り組みが始まりました。

それは「高校生審判員」です。白石工業高校の南舘里音さんと古山空未さんが高校生審判として東北では初めて公式戦で審判を務めました。公式戦で高校生が審判を務めるのは全国でもまれですが、その背景には審判員の課題がありました。

県高体連バレーボール専門部 佐藤徹審判委員長
「審判員の方々も高齢になってきている。バレーボールを支える側の人間も少なくなってきている」

そう話すのは県高体連バレーボール専門部の佐藤徹審判委員長です。近年、審判不足が課題となり、地方では特に影響は大きく高齢化による現場引退や審判資格を持つ人が減少。審判1人あたりへの負担が大きくなっています。

主要大会では1試合つき主審、副審の2人は資格保有者が務めなければいけませんが、今回の大会を見てみると審判員の数は約15人。大会初日には1日で24試合行われる中、過去にはこんな例も…。

県高体連バレーボール専門部 佐藤徹審判委員長
「3試合連続で審判をやらなければいけないということが過去にはあった。審判員の数をいかに確保していくかが、今後の課題でもある」

南館さんと古山さんは白石工業バレーボール部のマネージャー。マネージャー業の傍ら、審判の勉強を行い、資格を取得した理由は「選手たちを支えたい」という思いからでした。

白石工業高 県公認審判員 南舘里音さん
「バレー自体が初心者で一から知識を得るのが難しくて、周りの人は全員経験者だからどうしようとか思ったけど、選手が頑張っている中、私も何か頑張りたいと思って」

白石工業高 県公認審判員 古山空未さん
「練習試合でたくさん審判として笛を吹いていて、その時に先生が審判資格について話されて、とろうと思いました」

当日の試合では1回戦の副審を担当。選手交代やタイムアウトの管理をしながら反則もとらなければならない重要な役割です。初めての公式戦でしたが、2人は堂々とした姿で試合をさばきます。

試合の監督「よかったよ、頑張ったね!」

県で初の取り組みは事故なく終了。バレーボール専門部では今後、主審に割り当てることも検討しているということです。

白石工業高 県公認審判員 南舘里音さん
「審判をやっていると苦しいこともあると思うんですけど、楽しくて、新しい知識が入ってくる。ぜひやってみてほしい」

白石工業高 県公認審判員 古山空未さん
「やっているのはすごく大変で難しいんですけど、教えてもらったことを練習試合とかでできたりしたら、すごくうれしい気持ちになるので、やってみてほしいです」

選手、マネージャーだけではない新しい役割。高校スポーツを「支える立場」として、今後さらに広がりを見せていくことが期待されています。

県高体連バレーボール専門部 佐藤徹審判委員長
「実は県内に審判をやりたいという高校生が何人か出てきているようですので、そういった高校生にもこのような機会を与えていけたらなと思いますし、これからも高校生の審判が増えていくことを期待したいと思います」

仙台放送
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