客が理不尽なクレームつけたり、侮辱的な発言をしたりするカスタマーハラスメント、いわゆる“カスハラ”の防止に向けて、静岡県の鈴木康友 知事は4月30日の定例会見で2026年度から禁止条例を施行したい考えを明らかにしました。一方で、現時点で罰則規定は盛り込まない方針です。
静岡県ではカスハラの防止に向けた協議会を3月に立ち上げた上で、条例案の方向性について議論していますが、鈴木知事は4月30日に来年度から条例を施行したい考えを明らかにしました。
ただ、鈴木知事は「どういう場合に罰則とするのか今はなかなか想定できず、基本的には理念条例なので広く啓蒙していくことが重要」として、現時点で罰則規定は設けない方針です。
条例案では、カスハラについて「社会通念上、許される範囲を超え就業を害する顧客の言動」と定義する方向で、鈴木知事は「条例が出来ることにより事業者や行政、県民がこの(カスタマー)ハラスメントに対応する一助になれば」と話しています。
骨子案は2025年度中に取りまとめた上で2026年度からの条例施行を目指していて、県によると実際に窓口では職員が説明しても「謝罪の書類を書け!」「納得するまで帰らないぞ!」「マスコミに言うぞ!」などと暴言を吐かれたり、机を強く叩かれたり、職員がペンを投げつけられたりといった事例が確認されているということです。