災害はいつ、どこで起こるか分かりません。車中泊を体験して万が一の際の車での生活について考えます。
秋田市の日本赤十字東北看護大学のグラウンドに用意した5人乗りの車。まずは家庭にある掛け布団、毛布、枕を積み込んでみます。
どのくらいのスペースを必要とし、何に困るのでしょうか。用意したのは2人分です。
積み込んでみると寝具にかなりスペースがとられることが分かります。5人家族と想定した場合、車の屋根まで布団だけで埋まってしまうかもしれません。
日本赤十字東北看護大学介護福祉短期大学部・及川真一さん:
「車中の避難となると布団だけではなくて着替えや食料を積むことになる。スペースが結構なくなりますよね。車にまず積んでみる。どのくらいのスペースがあるのか、または余裕はあるのかないのかを試してほしい」
実際に運転席に横たわってみた飛世直樹アナウンサーは、「体を思うように動かせないのが寝るにはつらいかもしれない」との感想を持ちました。
2~3時間の体の休息であれば多分大丈夫だと思いますが、車中生活となると体への負担は大きく、長時間はきつい状況です。
「運転席も助手席も一緒で車によって完全にフラットになるものもあると思うが、まずいったん運転席も助手席も倒してみることが必要になってくると思う」と話す及川さん。
身長が181センチの飛世アナウンサーが後部座席をフラットにしてみて寝てみたところ、足を伸ばしきることができませんでした。寝心地的には寝られなくはありませんが、寝るには1人が限界と実感させられました。
5人乗りの車の中で生活するとなると、180センチ以上の成人男性がいる場合、複数で過ごすのは難しそうです。
車中生活の大変さが分かったところで、車で寝る際に毛布や布団の代わりになるもの、あったら便利なグッズを教えてもらいました。
及川真一さん:
「寝てみて背中が痛かったと思う。コンパクトで広げてみると軽いマットを車に用意しておくと体の負担は相当変わってくると思う。車に1個積んでおくだけで全然違うと思う」
枕は車に積むとだいぶスペースをとっていました。小さいながら空気を入れて膨らますと枕になるものであれば、4人分揃えていてもあまりかさばらないと及川さんは教えてくれました。
続いて、防災グッズとして備えている人も多いかと思うアルミシートについてです。
及川真一さん:
「毛布の代わりになるといわれるアルミ温熱シート。実際に着て動くとシャカシャカしたり音が気になったりしませんか。車の中で使用していてもどうしてもこういう音が聞こえてくると、なかなか体を休めるのは難しいかと思う。厚手のアルミシートは同じようなアルミシートだがシャカシャカする音が聞こえない。アルミシートを備えるのであれば、開けてみて試してみることが重要だと思う」
マットにキャンプ用枕、アルミシート。これらであれば車内に常に置いていてもかさばりません。
最後に「避難所でこれがなくて困った」というものの代表例はスリッパです。
及川真一さん:
「普段、家庭で履いているスリッパ。裏にくぎやガラス片などを突き刺さない素材が入っているものであれば、万が一災害が起きた時に履いて外に逃げることができる。車に1個入れておくと便利だと思う」
「最近は春めいて暖かくなってきたので、車で寝てみるなど、万が一を想定して荷物を積んで試してみることが大切」と及川さんは呼びかけています。